映画『レヴェナント:蘇えりし者』を観てきました。
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この映画を観るためにイニャリトゥ監督の作品を観ようということでいくつかブログに書いてきています。
- 『レヴェナント:蘇えりし者』を観る前に - キネマの館
- 映画『21g』 命の重さ アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品 - キネマの館
- 映画『バベル』 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品 - キネマの館
- 映画『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品 - キネマの館
これだけ準備すれば、十分期待も高まります。
簡単な説明
1820年台のアメリカが舞台で、猟師ヒュー・グラスが殺された息子の報復をするために瀕死な状態で過酷な自然の中を生き延びる話です。主人公のヒュー・グラス実在した人物で『蘇った亡霊』という小説にもなっているそうです。
監督・注目のキャスト
監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ ※アカデミー賞監督賞
男優:レオナルド・ディカプリオ ※アカデミー賞主演男優賞
トム・ハーディ ※マッドマックス 怒りのデス・ロード)
音楽:坂本龍一
2月のアカデミー賞でレオナルド・ディカプリオが主演男優賞を5度目のノミネートでやっと授賞して話題になりましたが、イニャリトゥ監督が2年連続の監督賞を授賞しています。また、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』で主演を務めたトム・ハーディも出演しています。音楽は、われらが坂本龍一教授です。豪華メンバーですね。
印象に残ったシーン
インパクトのある映像が多かったので一番を挙げるのは難しいのですが、クマに襲われるシーンはリアリな映像で迫力があり臨場感たっぷりでした。「ここまでやるのか」と
思わせるほどの表現力です。クマに襲われるところ以外でもたくさん見どころはあります。最初の部族に襲われるシーンもすごかったです。息遣いなどの音の演出も素晴らしくIMAXで観たのは正解でした。
寒さ厳しい大自然を美しい映像で表現し、そこで繰り広げられる残酷シーンを臨場感あふれる手法で撮影しています。
ただ、リアルすぎるので苦手な方は目を覆ってしまうかもしれませんのでご注意を
謎のシーン
『バードマン』同様に謎のシーンがありました。空想シーンもいくつか出てくるのでそれらが意味するところは何だろうと思います。少しずつ解明していければと思っていますので頭の片隅に入れておきます。
感想
映像と音響は素晴らしかったです。弓矢が耳元をかすめる映像と音。クマが襲ってくるときのクマの息の臨場感、傷の手当をするときの痛み、大自然の美しさと静寂さ、最後まで引き付けられまディカプリオの演技も迫真の演技と言ってもいいのではないでしょうか。ディカプリオに主演男優賞を取らせるために作ったのかと思える内容でした。
2時間30分という長さを感じさせない映画でした。
イニャルトゥ監督作品について
魂に触れてからの命とその時の宗教心との関連が根底のテーマとなっているような気がします。今まで観たイニャルトゥ監督作では『21g』のテーマと近いような気がします。
イニャルトゥ監督は、『21g』『バベル』で「親子の関係」をテーマにしています。今回も同様で「子供への愛情の深さ」を描いています。『宗教』に関しては肯定とも否定とも捉えられない描き方です。(『21g』でも十字架の入れ墨をナイフでそぎ落とすシーンがありました。)
イニャルトゥ監督作のどの映画にしても映像、音響に関しては素晴らしいと思いますし、俳優さんたちの演技に関しても妥協していないと思いますので、次回作も期待できます。