キネマの館(ヤカタ)

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映画『21g』感想 命の重さ アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品

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4月22日公開のレオナルド・ディカプリオ主演の『レヴェナント: 蘇えりし者』を観る前に監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(やけに長い名前)の日本での出世作と言ってもいいであろう『21g』をNetflixで観ました。『レヴェナント: 蘇えりし者』を観る前に同監督の作品を観て期待を高めようと思っています。

 

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監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥとは

今年2月に行われましたアカデミー賞で作品『レヴェナント: 蘇えりし者』で監督賞を授賞しました。同監督はなんと昨年も『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』という作品で監督賞を授賞しています。メキシコ人でなかなかの男前で、常に安定したポテンシャルの作品を作っています。

他には、ブラッド・ピット主演、日本人女優の菊池凛子が出演した『バベル』も作っています。

 

21gとは

映画の題名になっている「21g」とは死んだ時に軽くなる重さらしいです。どうもアメリカの医師が発表した実験結果らしいです。

主人公ポールが病院のベット死を迎えるときに次のナレーションが流れ映画が終わります。 

 

人は何度人生を生きて

何度死ぬのだろう

人は誰でも死ぬ瞬間に21グラムだけ体重が減るという

21グラム何の重さだろう

何を失うのか

いつ失うのか

どれだけ失うのか

何が得られるのか

どれだけ得られるのか

21グラム

5セント硬貨5枚

ハチドリの体重

チョコバー1個

21グラムの重さとは?

 

感想

各出来事を短い時間で時系列をバラバラにして構成されています。登場人物もそんなに多くなく内容も覚えないといけない事柄が少ないのでバラバラでも映画が終わるころにはちゃんと整理されていきます。この手法の映画でもう一度見ないと内容がわからないというものがありますがそんなことはなかったです。タランティーノの映画にもこの構成ありましたね。

主演のショーン・ペン、ナオミ・ワッツの演技はなかなかのものでした。ショーン・ペンは大学の教授役をしていて悪童イメージはなくどこかワルを期待している自分がいましたがめちゃくちゃ善人でした。映画全体が薄暗い感じ撮られていたのも出演者の演技を光らせていました。『レヴェナント: 蘇えりし者』も薄暗いトーンの映像でしたので同じような感じになっているのかなを想いました。

車でひき逃げして人を殺してしまった男が腕にいれた十字架の入れ墨を火であぶったナイフで焼くシーンがあるのですが、キリスト教に対しての絶望を表しているのだと感じました。海外の映画では、根底にキリスト教に対してのテーマを持っているものが有りその知識のない私は不完全燃焼に終わるものが有るのですが、この映画はそれがわからなくても十分楽しめます。「21gは何の重さなのだろう」=「命とはいったい何だろう」すごくはかないものですが、意味のあるもだと思います。

 

同監督の作品の『バベル』も旧約聖書に記載されている塔の名前なのでキリスト教に対する思いが強い監督なのかもしれませんね。

『レヴェナント: 蘇えりし者』は、予告を観る限り宗教色はないみたいです。楽しみです。