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『シークレット・ウィンド』感想 ジョニー・デップ主演のモダンホラー ※ネタバレあり

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スティーブン・キング原作のジョニー・デップ主演作品。人気作家が謎の男に付け狙われ精神的に追い詰められていくというサスペンス・モダンホラー作品です。ジョニー・デップが情緒不安定な作家を見事に演じています。 

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作品情報

公開:2004年

時間:1時間36分

監督

デビッド・コープ - 映画.com

主なキャスト

人気作家:モート・レイニー(ジョニー・デップ)

元妻:エイミー(マリア・ベロ)

脅迫者:ジョン・シューター(ジョン・タトゥーロ)

 

登場する書籍のタイトル

「誰もが密告者 (evryone going )」

「種をまく季節(sowing season)」

「秘密の窓(secret window)」

 

あらすじ

人気作家レイニーの前に、彼が自分の小説を盗んだと糾弾する男シューターが出現。身に覚えのない言いがかりに困惑するレイニーだが、その日から彼の周囲で奇妙な出来事が続出する。

シークレット ウインドウ : 作品情報 - 映画.com

感想

この作品は、いかにもスティーブン・キング的なやや強引なドンデン返しで意表を突かれる展開が楽しめます。キーになるのは、人間の内面です。内面に潜む悪を露わに描き出し、ジワジワと恐怖心を駆り立てる、モダンホラーの後味の悪さが残ります。

主役のモート・レイニーを演じるのは押しも押されぬ人気俳優ジョニー・デップ。今作の公開が2004年で、2003年公開の「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」の次の作品になります。そのせいか、彼の演技がどこかジャック・スパロウを思い起こさせるのは気のせいでしょうか?ストレスがかかった時の表情やしぐさが似ています。ジョニー・デップは、こういう精神的に病だ人を演じるのは上手ですね。もしや彼自身も病んでいるのでは?と思ってしまいます。

人気作家レイニーは、エイミーと離婚調停中。彼には盗作という過去があり、それを知るのはエイミーのみ。彼はエイミーが自分の元を去り別居になったことから強迫観念が湧き、そこから自己崩壊へと陥ってしまいます。

 

ここからネタバレ

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自分の元を離れ最大の秘密を知っているエイミーは、彼にとっては邪魔者以外の何者でもない。口封じをしないといけないのだが、良識ある彼は、そんな事を考えもしない。ただ内なる自分がもう一人の人格を作り上げ、その人格がエイミーを殺すように仕向ける。しかもその方法は作品の内容を書き換えること。彼はシューターという人格で都合よく、犯罪を重ねていき、結果的には書き換えた小説の内容と同じ形でエイミーを殺害し、彼女の好きだった秘密の庭に埋葬します。

 

このような多重人格の話は、とても興味深く、また恐ろしくもあります。私自身同じ境遇にあったら、どうなるのかと考えると同じような人格を作り上げるのではないかと不安にもなります。

 

この作品、主人公を小説家にしているところは がとても面白いポイントだと思っています。小説家の仕事は現実とは異なる世界をイメージすることです。いくつもの世界を創る小説家が自分にとって都合の良い世界を創り上げる。そしてこの物語自体がスティーブン・キングという作家が書いた世界なのです。スティーブン・キング自身も盗作疑惑を掛けられたことがあったのかもしれません。或いは現実と創り上げた世界を混同することがあったのかもしれません。小説家という特殊な仕事に想像が膨らみます。

 

エイミーを殺害した後、レイニーにはシューターが現れなくなっています。エイミーは、彼女の愛した秘密の庭に埋められ、レイニーはそこで収穫されたトウモロコシを日々食します。それは何か吹っ切れリラックスした表情です。勿論自分がエイミーを殺害した事は知る由もありません。

いかにもモダンホラーという、後味の悪い終わり方でした。