映画『ビッグ・アイズ』を観ました。妻をゴーストペインターにして大きな目の子供の絵を世に出したウォルター・キーンとその妻マーガレットの実在の話です。
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作品情報
公開:2014年
時間:1時間46分
監督
「チャーリーとチョコレート工場」、「アリス・イン・ワンダーランド」
主なキャスト
「ゼロの未来」、「ターザン:REBORN」
マーガレット・キーン(エイミー・アダムス)
ウォルター・キーン(クリストフ・ヴァルツ)
ディック・ノーラン ( ダニー・ヒューストン)
ディーアン(クリステン・リッター)
ルーベン(ジェイソン・シュワルツマン)
ジョン・キャナデイ(テレンス・スタンプ)
エンリコ・バンドゥッチ(ジョン・ポリト)
ジェーン(幼少期) (デラニー・レイ)
ジェーン(10代) (マデリン・アーサー)
判事(ジェームズ・サイトウ)
あらすじ
「アリス・イン・ワンダーランド」「チャーリーとチョコレート工場」のティム・バートン監督が、1960年代アメリカのポップアート界で人気を博した「ビッグ・アイズ」シリーズをめぐり、実在の画家マーガレット&ウォルター・キーン夫妻の間に起こった出来事を描いたドラマ。悲しげで大きな目をした子どもを描いたウォルター・キーンの「ビッグ・アイズ」シリーズは、ハリウッド女優たちにも愛され、世界中で大ブームになる。作者のウォルターも美術界の寵児として脚光を浴びるが、実はその絵はウォルターの妻マーガレットが描いていたものだった。絵は飛ぶように売れていくが、内気な性格のマーガレットは、自分の感情を表すことができる唯一の手段である「ビッグ・アイズ」を守るため、真実を公表することを決意する。
感想
今春、映画館の前に貼られている大きな目のポスターに惹かれて観賞しようか迷った作品でした。実在の画家の話ですがとても興味深い内容だと思います。
まず、マーガレット・キーンに関してですが、1927年生まれで現在89歳。3度の結婚を経験していて、作品中の2度目の相手ウォルター・キーンとは約9年間の結婚生活を送っています。
こちらがマーガレット・キーンと彼女を演じたエイミー・アダムスです。
大きな目をした子供の作品は「big-eyed waifs」と名付けられていて、ギャラリーサイトなどで観ることが出来ます。米国サイトを探してみました。
googleの画像検索です。"big-eyed waifs"
マーガレット・キーンの公式サイトはこちら
サイトのアイコンが目になっています。何かを訴えかけたいのか、こちらを観察しているのか、大きな目を見ていると自分の心が映し出されるようです。
こちらはギャラリーです。
lithographs | Product Categories | KEANE EYES GALLERY
対象が動物や大人の場合は、違和感がないのですが、子供となると何故か少し変わった気持ちになります。
そういえば、日本でも一昨年佐村河内氏のゴーストライター事件が大きく取り上げられましたが、この作品が取り上げている偽装は夫婦という関係であり、夫ウォルターは不動産業で十分に飯を食っていけたという点が大きく異なります。
夫婦であれば妻の名前を出しても成功していたと思うのですが、彼が自分の名前にしたことがどうしても腑に落ちません。他人を信じることが出来なくて完全に自分が支配している形を作りたかったのかな?
ただ、一風変わったビッグ・アイズという作品は、彼のような人物でないとこれほどまでに有名にならなかったような気もします。
作中で描かれているハワイでの裁判の様子が実際と近いものだったら、 ウォルター・キーンは普通の人物ではないでしょう。弁護経験のない者が自分で自分を弁護するなんて並みの人間は出来ないことです。
そしてもう一つ興味深いことは、人の心を窓の目を強調したビッグ・アイズを虚偽工作を行うウォルターが売っていうたというところです。
マーガレットは、大きな目を描く理由を「目は人の心を映しだすから」と言っています。
ウォルターにはビッグ・アイズが見つめる目がどういう風に映ったのでしょうか?
皮肉なことに心の窓である目を描いているマーガレットは生活の為だったのか、彼の心を読むことが出来なかったようです。
結果は明らかですが裁判でお互いに絵を描かせるところは爽快な結末です。
ちょっと不思議な絵「ビッグ・アイズ」のゴーストペインターの話でした。
日本のアニメの少女たちもビッグ・アイズですね。
(C)2016「君の名は。」製作委員会 より