キャメロン・ディアス出演の『運命のボタン』です。そのボタンを押せば一生暮らせるお金が手に入る。ただし見知らね誰かの命が無くなってしまう。あなたならどちらを選択しますか?
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作品情報
公開:2009年
時間:1時間55分
監督
主なキャスト
NASA職員:アーサー・ルイス(ジェームズ・マースデン)
アーサーの妻で教員:ノーマ・ルイス(キャメロン・ディアス)
アーサーの息子:ウォルター・ルイス(サム・オズ・ストーン)
謎の男:アーリントン・スチュワード(フランク・ランジェラ)
ノーム・カーヒル(ジェームズ・レブホーン)
ディック・バーンズ(ホームズ・オズボーン)
ラナ・バーンズ(セリア・ウェストン)
あらすじ
郊外の町に暮らすノーマとアーサーの夫婦のもとに、奇妙な赤いボタンが付い箱が届く。その日の夕方、謎の男がノーマを訪れ、「24時間以内にボタンを押せば1億円が手に入るが、代わりに見知らぬ誰かが死ぬ」という究極の選択を提示する。苦しい生活から、夫婦はボタンを押すべきか否か悩むのだが……。
感想
まず原題が『The Box』だというところは押さえておいた方が良さそうです。そうすることで、この作品がもっともっと深いものになる筈です。
アーサ―とノーマは一人息子ウォルターと幸せに暮らすごく一般的な夫婦です。ただ妻のノーマは足に障害を持ち普通に歩行することが出来ません。
赤いボタンの箱
ある日、見知らぬ謎の男が1つの箱を家に置いていきます。その箱は赤いボタンが1つ設置されています。そして、そのボタンを押せば1億円を無償で貰えると。ただ、ボタンを押せば見知らぬ誰かが命を無くすという条件付き。決断は24時間以内。箱の中を調べてみると、何の装置も設置されていないただの箱で悪戯とも取れそうな代物。
選択を決定させる出来事
そして 箱が届けられたその日にノーマに起こる2つの出来事で1億円への欲求が高まります。1つは足を引きずっていることを生徒に指摘されます。前々から望んでいる手術の事を考えます。もう一つは子供の学費費割引が中止になるというものです。更に夫のアーサーが目指していた宇宙飛行士が不合格だという通知を受ける。
もし自分がこのような状況になった時、赤いボタンを押すのでしょうか?
自分の知らないところで見知らぬ誰かが亡くなっても1億円を手にして今の悩みが解決される方を選択してしまうかもしれません。
ノーマは迷った挙句ボタンを押してしまいます。
謎の男アーリントン
アーリントンは左の頬が火傷の後のような感じになっていて無くなっています。黒塗りの古い車に乗り、必要なことだけしか話さない謎の人物です。
約束の24時間後、ノーマの家を訪れ、ボタンが押された事を確認し、もう取り消すことは出来ないと告げ立ち去ります。彼の乗っている車を調べてみると、なんとNSA(アメリカ国家安全保障局)が使用する車だったのです。
実はこのアーリントンという男は、かつてNASAで勤めていて稲妻に打たれ死亡した。しかし運ばれた病院で蘇生し、傷が10倍の速さで治り細胞の老化が停まるという能力を手にしたいたのです。
アーリントンには雇い主がいて、彼らの指示で人類に対して「試み」を行っているという。それは、人類が他人の為に己の欲望を犠牲に出来くるかどうかというもの。
箱の意味
アーリントンはこのように箱の説明をします。
「人の一生は、住居、車、テレビという様々な箱で暮している。箱は心を蝕んでいく。そして肉体も箱と言える。最後は棺という箱で腐敗していく。この世は仮の世と思わないといけない。」
この映画サスペンス色のある哲学的な作品なのです。物理的な価値より精神的なものを大切にしなさいと言っているのです。何だか自分の心を見つめ直してしまいます。
予想外のシナリオ
「ボタンを押すと1億円は手に入るが、誰かが死ぬ」というルールには予想外の展開が待っていました。次に命を落とすターゲットが自分たちになるのです。しかもウォルターの目と耳の機能と奪い、救うにはアーサ―がノーマを殺さなければいけないのです。
ノーマは、アーサに銃を差し出します。見知らぬ誰かの命をボタンを押して奪ってしまった償いは最愛の人の命を奪うというものです。
ノーマが銃で撃たれたその時、他のどこかで誰かが同時に箱の赤いボタンを押していました。
まとめ
この究極の「試み」は、実際に行われたらどうなるのでしょうか?赤いボタンを押さないと言い切れない気がします。時には自分を振り返り、赤いボタンを押していないか考えないといけないようです。
お金が必要となる状況に追いやられてしまいますので非常に厳しい「試み」だなと感じました。