先日『クローバーフィールド パラドックス』の記事を記載したので、「パラドックス」繋がりの作品を観賞しました。タイトルも『パラドックス』そのもの。日本では劇場未公開作品です。
作品情報
公開:2016年
時間:1時間29分
低予算で制作されたSF作品です。近年CGを駆使した映像に見慣れているせいか低予算のSF作品の映像に出くわすと期待を裏切られた感を持ってしまいますが、寛容な気持ちで最後まで観賞するようにしています。
監督はマイケル・ハートという人で『Ninja(2009)』という伊原剛志 が出演している脚本も書いています。
「Paradox」を IMDb - Movies, TV and Celebrities - IMDb で検索すると案外たくさんの作品がヒットします。この言葉、少しブームになっているのかもしれませんね。
で、今作は何のパラドックスかというと、タイムマシンによって発生するタイムパラドックスです。タイムマシンを描いた作品で一番に思いつくのはブルース・ウィリス出演の LOOPER ルーパー : 作品情報 - 映画.com なんですが、それよりも短い時間でタイムトラベルを行うため、より複雑になっています。限られた人数の中で殺人犯を探すというサスペンス要素もあるので、セットがあまりよろしくないのですが、何だかんだと最後まで観てしまう作品です。
引用:Paradox (2016) - Zoë Bell as Gale - IMDb
簡単なタイムマシンです。
作中唯一女性メンバーのゲイルがタイムトラベルの施行者で恋人のジムの怪我を治療する際に繋ぎの服の上半身を脱いでキャミソールになるシーンがあります。一瞬「何故?」と思ってしまうのですが、どうもゲイル演じるゾーイ・ベルという女優さんは、アクション俳優で、このスタイルがトレードマークのようです。
引用:Paradox (2016) - Zoë Bell as Gale - IMDb
(暑かった訳でもなさそうなのに、キャミソール姿になってしまう)
前作『RAIZE』ではタンクトップで活躍しているので、そのキャラクターを活かしたと推測します。
物語は、「もしタイムマシンが出来たならどのような問題が発生するのだろうか?」というところを突いています。その辺りはありふれた内容になってしまうのですが、今の人間社会は未来を知る事で多額の財産を手にすることが出来るので、タイムマシンはエンジニアにとっては純粋な気持ちでの夢の実現かもしれませんが、やはり悪用しようとする人間が出てくるという事です。
面白いところは、「タイムマシンの開発に成功した時点で未来にそのマシンが存在する」という事です。未来からも現在に移動する事が可能という事になります。自分たちの存在する時間だけがタイムトラベル出来るだけでなく、異なる時間からもタイムトラベルが可能になってしまうという事です。
タイムマシンを最初に試したジムに関しては、一時3人存在(現在、未来、過去)する時間帯があります。観ている方も良く分からなくなってしまう状況です。1時間後という短い時間のタイムトラベルがそのような状況をよりスリリングなものにしています。それぞれのジムのタイムトラベルを考えながら観るのも今作の一つの楽しみです。
少々物足りないセットでしたが、それを除けばそれなりに楽しめる作品です。棚から牡丹餅のオチも良かったです。