フィリップ・K・ディックの作品ということで未来のSFを期待していましたが、なんと素敵なラブロマンスでした。後先考えずに自分の想いに突き進む姿は微笑ましく勇気づけられます。
作品情報
公開:2011年
時間:1時間46分
監督
主なキャスト
デヴィッド・ノリス(マット・デイモン)
エリース・セラス(エミリー・ブラント)
ハリー・ミッチェル(アンソニー・マッキー)
リチャードソン(ジョン・スラッテリー)
マクレディー(アンソニー・ルイヴィヴァー)
チャーリー・トレイナー(マイケル・ケリー)
メイズ警官(ブライアン・ヘイリー)
トンプソン(テレンス・スタンプ)
本人役(ジョン・スチュワート)
あらすじ
バレリーナのエリースに一目ぼれした政治家のデビッドは、決められた運命を逸脱しないよう世の中を監視している「アジャストメント・ビューロー(運命捜査局)」に拉致されてしまう。同局は、本来なら出会う運命にはないデビッドとエリースを引き離そうとするが、2人はその運命にあらがう。
アジャストメントは未来のフロー図を持っていてそこから逸れるような事があると調整する架空の組織です。
感想
何か『フォレスト・ガンプ』を観た時のような爽快な気持ちで観終りました。デヴィッド・ノリスを演じるマット・デイモンはよく走りました。自分の恋を全うするためにはあらゆるものを投げうって実行する。そういう生き方は羨ましく観ていて応援したくなります。
デヴィッド・ノリスのキャラ
デヴィッド・ノリスのキャラがいいです。上院議員に立候補し勝利目前の同窓会のパーティーでお尻を出し、スクープされて敗北。なんだか人間ぽくっていいですよね。こういう人物でもアジャストメントの未来計画では大統領になるべき人間だいうのは驚きです。日本ではこのような醜態をさらすと政治家はなかなか難そうです。
敗北がほぼ確定した後の演説で、トイレでこの女性に一目惚れです。
アジャストメント
アジャストメントが大勢でデヴィッドを追いかけるシーンはスリルはあり、そしてコミカルです。『マトリックス』のエージェントみたいにどこからでも現れますから。
彼らは想定された未来を守る捜査官です。考えてみると自分たちの周りにも、将来を見据えて調整役をしている人いる気がします。例えば、恋愛結婚を望む息子に対してお見合いを勧める親もそうじゃないでしょうか。
アジャストメントのトレードマークは帽子
人生の選択
アジャストメントは、デヴィッドとエリースが一緒になると予定していた未来が築けないという理由で2人を引き離そうとします。デヴィッドは大統領、エリースは有名ダンサーになる予定なのです。一緒になると満たされてしまい野心が無くなってしまうというのです。大統領という未来を知らされてもやはり諦めきれない間柄というのですから恋愛の力は強いです。
私たちの日常でも目に見えない形でアジャストメントはいるのかもしれません。アジャストメントの抵抗に打ち勝ち、満たされる方を選択をし、のんびり無理のない生活を送っている人もいるかもしれません。じゃー出世している人は満たされていないか?という疑問も湧いてきますが、そこまで考えるとせっかくの映画が面白くなくなってしまいます。
まとめ
自分の感情を信じてひたすら走り続ける姿に感動です。挙式直前で新婦を連れ去ってしまう程です。実在していれば危ない人なんでしょうが、そこが映画のいいところです。このようなファンタジーロマンス作品を観ると映画って本当にいいものだなとしみじみ感じます。