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映画 いくつもの感動と出会い

映画『希望の国』感想 園子音監督作品 ※ネタバレあり

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園子音監督の『ひそひそ星』のロケ地が福島でした。そういえば同監督は『希望の国』という原発問題をテーマにした映画も撮っていたということで観てみました。

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(C)The Land of Hope Film Partners

 

 

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福島の事故後に、長島県(架空)で福島と同じように地震からの原発事故が発生し家族が離れ離れとなって暮らすというストーリーです。

ひそひそ星のロケ地

先日(2016年5月14日)に公開された同監督作品『ひそひそ星』のロケ地は津波の影響が残る未だ復興していない福島です。映画を観ながら「これは原発に対して何かメッセージを含んだ映画だ」と思って観ていましたが、トークショウで神楽坂さんからは、「偶然脚本と同じような状況だったため」という説明がありました。『ひそひそ星』は政治的なメッセージは含んでいない映画だということです。でも、観ている方は気にはなりました。(もしかしてそれも計算されていたのかもしれません)

再び原発事故

『希望の国』は福島の事故後にまた同じような事故が発生し悲劇が繰り返される話です。きっと同じような事故が起きても映画のように国の対応や人々の放射能に対しての対応は変わらない、いや変えれないのでしょう。妊婦である いずみ(神楽坂恵)は過剰なまでの放射能対策をするのですが、何の対策もしない周囲からは変の人と冷たい目で見られ、まさに3.11と同じ様子を描いています。

3.11

私も3.11の時は関東でありながら他の人よりも過剰に反応していました。マスクは二重でいつでも地元に逃げれるようにしていました。今となっては笑い話なのかもしれませんが、同じことが起これば同じ対応をすると思います。

忘れ去られつつある

あれから今年の3月で丸5年になります。放射能の被害も思ったほど重くなく(健康被害が現れるのはこれからという話もありますが)電気に関する意識も3.11と同じようになり、福島第一での廃炉作業の状況など気にもかけず、今放射能の話をする人は歯ほとんどいません。3.11と同じような普段の生活が営まれています。事故後、放射能の恐怖を叫んだ人たちは風評被害と批判され、原発を反対する人は左翼扱いされ、少しづつ沈黙が拡がっていったように思えます。

園子音監督の思い

震災後の原発問題はまだ終わっていません。現在進行形で続いています。2014年6月23日東京電力福島第1原発では、汚染水対策が本格化し始めています。昨年度2013年よりも作業員の数は約6000人と倍増して、構内には重機が行き交う様子は巨大な土木工事現場の様子です。でもそこは土木工事現場ではなく、放射線量がとても高い水準のまさに命がけの現場であり、作業員の方々は汚染水との闘いを構内では行なっています。現場付近の線量は最大で毎時1ミリシーベルトにも達する過酷な環境ですが、そこには事故当時のがれきが散乱している影響で線量が高い現場になっています。

引用:http://www.kibounokuni.jp/

あの時の政府の対応はどうだったか、社会はどのように動いたか、自分は何をしたか、忘れてはいけないのですね

最後に

この映画の主演を務められた夏八木勲さん、映画公開の翌年2013年にお亡くなりになっています。残念です。

 『希望の牧場』

『希望の牧場』という被爆した牛を殺処分せずに面倒を見続けている牧場があります。

blog.goo.ne.jp

 

予告動画 

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