前記事『ブレードランナー』に続き今回もフィリップ・K・ディック原作作品です。機密保護のため案件ごとにエンジニアの記憶を抹消する社会。『レッド・クリフ』のジョン・ウー監督のSFサスペンス作品です。
作品情報
公開:2003年
時間:1時間58分
監督
主なキャスト
マイケル・ジェニングス(ベン・アフレック)
レイチェル・ポーター(ユマ・サーマン)
ジミー・レスリック(アーロン・エッカート)
ショーティー(ポール・ジアマッティ)
ジョン・ウルフ(コルム・フィオール)
エージェントドッジ(ジョー・モートン)
エージェントクライン(マイケル・C・ホール)
あらすじ
多額報酬を受け取れる3年間の仕事を提示されたフリーランス・プログラマーのマイケル。しかしその仕事は終了時に3年間の記憶を抹消するという条件付きのもの。悩んだ末、3年間の記憶より一生遊んで暮らせる報酬を手に入れる方を選択したマイケル。仕事は無事成功し、いざ報酬を受け取る段階で記憶抹消前の自分がその報酬の受け取りをキャンセルしていたという事実に直面する。おまけにFBIに追われ、謎に包まれたまま奔走することとなる。唯一の手掛かりは、弁護士事務所に届けられた封筒に収められた20のアイテムのみ。
20のアイテム
以下が紙封筒に入れられた20のアイテムです。
- タバコ
- サングラス
- バスの一日乗車券
- ダイヤの指輪
- クリップ
- パスワードのような数字
- EDISON社鍵
- スプレー
- ライター
- 存在しない銀行マッチ
- BMWの鍵
- レンズ
- ボールベアリング(鉄の玉)
- ALLCOM社の認証カード
- 工具(六角棒スパナ)
- コイン
- クロスワードパズル
- 銃弾
- 腕時計
- ?
感想
記憶を消され訳も分からず奔走するマイケルと同じように観ている側も状況を呑み込むのに時間が掛かります。場面の繋ぎであいまいなところがあり、誤解しないよう気を付けないと解らなくなるかもしれません。弁護士事務所から自宅へ移り変わるところがスムーズ過ぎて、瞬間移動しているみたいだったりします。
多額の報酬を受け取る為にマイケルがどういうシステムの開発に携わったかが重要なカギとなります。
いくつかの謎かけ
この作品には、いくつかの謎かけがあります。まず1つ目は多額の報酬を何故断ったのかということ。次に自分宛に届けられた20のアイテムが局面局面で窮地から救ってくれること。そしてアイテムを送った主は記憶を抹消される前の自分だったということ。
ゲーム感覚の流れ
与えられてアイテムをうまく利用して窮地を乗り超えていくというまるで脱出ゲームのような感覚で次は何を使うんだろうと胸がワクワクしてきます。先ほど20番目のアイテムを?にしていますが、そのアイテムに大きな秘密が隠されています。ここでは伏せておきます。
記憶抹消
マイケルは機密保持の為に作業期間の記憶末梢されます。エンジニアとして記憶を消されてスキルアップ出来るのか?なんて思ったりもしますが、相当優秀なプログラマーという事には違いないです。プログラミングもキーボードをカチカチ叩くというよりもタッチパネルでフローを作成する様な形式でした。
記憶末梢に於いては、まるでパソコンからファイルを消すように決められた期間の記憶を選択する手法や作業開始時に脳に起点を設定しておいて起点以降から消す手法があり、まるでハードディスクのファイル管理のようで興味を掻き立てられました。復元も用意されていました。脳の温度をモニターしていて限界値まであと0.1度というシーンはドキドキです。
マイケルには2回の記憶抹消が行われるのですが、どちらもその期間中に女性といい関係になっています。そんな記憶も無くなってしまいますから寂しいですね。
未来が見える技術
ネタバレになってしまいますが、未来を見る技術も出てきます。これはギャンブルをしている人が一番欲しがるものだと思います。便利そうなシステムにも思えますが自分の不幸が見えてしまった場合もありますのでは恐ろしい面もあります。見えた未来を変えることが出来るのなら覗いてみたい気もしますが、見えたら見えたで厄介な事が増えそうです。
まとめ
記憶を消す技術と未来を見れる技術は興味を掻き立てられる発想でした。アクションシーンも程よく盛り込まれていて気軽に楽しめる作品です。主人公マイケルがエンジニアという事で殺人を犯さない設定でしたが、その分スリル感は薄かったように感じました。20のアイテムがどのように使われるのかを楽しみながら見れるSF作品でした。
予告動画
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