キネマの館(ヤカタ)

映画 いくつもの感動と出会い

映画『言の葉の庭』感想 ※ネタバレあり

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新海誠監督作品『言の葉の庭』をNetflixで観ました。とても綺麗な画像で雨の公園が描かれていて、万葉の歌を取り上げている作品です。

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(C)Makoto Shinkai/CoMix Wave Films

 作品情報

公開:2013年

時間:46分

監督:新海誠

あらすじ

高校の古典教師のユキノと高校1年のタカオは、雨の日の公園で出会う。タカオは靴職人になりたいという夢をひそかに抱いていて今の高校生活に疑問を感じている。一方ユキノは生徒との問題で学校に行けずにいた。お互い知らない仲てありながら、雨の日の公園で会うことが、いつの間にか心の拠り所となり、少しずつ距離を縮めていく。

 

感想

『君の名は。』の新海誠監督の作品ということで観てみました。

まず、都会の日常の風景が絵画のようにとてもキレイに描かれています。特に光と陰が巧に描かれています。雨の日の水溜リに映る景色は見入ってしまいます。

 

2人が初めて出会った時にユキノが語った万葉集の歌

 鳴る神の 少し響(とよ)みて さし曇り

 雨も降らぬか 君を留(とど)めむ

その返し歌。タカオ

 鳴る神の 少し響(とよ)みて  降らずとも

 吾れは留まらむ 妹(いも)し留(とど)めば

 

教師と生徒、27才の女性と16才の少年の

2人の恋の始まりが雨の日で歌とマッチしています。教師と生徒、27才の女性と16才の少年、ユキノはタカオには手の届かない大人の女性、何とも切ない恋です。

歳は離れていても、高校1年生にしてみると雨の日の公園での出会い、そして万葉集の歌を去り際に言われるなんて、心奪われますね。

「高校1年は、若すぎだろう。せめて大学1年生にしてくれ」

と思ってしまいましたが、靴職人の道を決意する前なら、高校1年生が妥当なところになります。

 

『君の名は。』では神事で使う「口噛み酒」を取り上げていますが、今作品は万葉の歌です。新海監督は、遠い昔の事柄をストーリーのキーポイントにし、好奇心を駆り立てるのがとても上手いです。

ついつい調べたくなります。

あとプラトニックな結び付きも目立ちます。まだ全作品を観たわけではないのですが、肉体的な結び付きはそれ程重要にしていないような感じです。

この作品は遠くに離れて想い続けるところで終わっています。高校1年から就職して一人前になるまで何年でしょうか?とても長いです。プラトニックな恋で少子化が更に進んだらどうするんでしょう。

46分の作品で無駄が無くて良かったです。

予告動画 

youtu.be

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