キネマの館(ヤカタ)

映画 いくつもの感動と出会い

映画『シチズンフォー スノーデンの暴露』感想 逃亡中の生の映像 ※ネタバレあり

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こんなドキュメンタリー映画はあっていいのだろうか?エドワード・スノーデンが行った行為はアメリカの反逆罪に問われるものだが、彼の思想は自由国家アメリカが生んだものだ。 

https://image.eiga.k-img.com/images/movie/81884/photo/8cb66cf29db29d84.jpg?1459128628

(C)Praxis Films (C)Laura Poitras

 

登場人物

エドワード・スノーデン:元CIA・NSAのシステム・エンジニア 

グレン・グリーンウォルド:英『ガーディアン』ジャーナリスト

ローラ・ポイトラス:ドキュメンタリー映画作家

ほとんどがホテルの部屋でのグリーンウォルドがエドワード・スノーデンに対して取材しているのシーンです。

エドワード・スノーデンの人物像

家庭環境 :高校時代に両親が離婚

学歴:家庭の事情で高校中退

職種 システムエンジニア

親日:「鉄拳」というゲームにはまっていたようです。チャットで使用していたハンドルネイムはTheTrueHOOHAでこれも日本のゲームを影響を受けている。

職歴 2004年 米軍に志願入隊(怪我により退役)

   2005年 メリーランド大学言語研究センターの警備任務に配属

   2006年 米CIAの契約職員 スイス勤務を経験

   2009年 DELL入社 米NSAの契約職員 日本の横田基地でアジア圏の情報収集に携わる

   2013年 ブーズ・アレン・ハミルトン入社米NSAの契約職員 ハワイでは特権システム管理者として勤務

エドワード・スノーデン - Wikipedia より

高校中退と学歴には恵まれていないが、軍を退役してからはトントン拍子にキャリアを積み上げている。

事件の概要

2013年6月 香港のホテルでエドワード・スノーデンがグリーンウォルドと接触

2013年6月 グリーンウォルドが米政府機関のプライバシー侵害を暴露放映

  映画はこの時期を撮影

2013年6月23日 ロシアの空港に入り入国しないまま待機

2013年8月1日  ロシア入国(限定1年)

2014年7月 3年間の期限付居住権取得

内容

映画は、ドキュメンタリー映画作家であるローラ・ポイトラスに何者かから暗号化されたメールで「重大な機密情報を持っている」と送られたところから始まります。以前に同様のメールを受けていた英『ガーディアン』ジャーナリストのグレン・グリーンウォルドも加わりその人物と接触し取材が開始します。相手は元CIA職員のエドワード・スノーデン。彼の口から語られたのはアメリカ政府機関によるスパイ行為の数々。世界各国の要人、さらに一般国民の電話やインターネット等をも傍受しているという驚くべき事実でした。グリーンウォルドも初めは信用していないのですが取材を進めるうちに彼の言っていることが真実であると信用していきます。取材開始当初は機密情報が盗まれたことは米政府機関も気付いていないのですが、米政府機関のプライバシー傍受の告発を世界に向けて発信し、知られるようになります。すべてスノーデン側が先に仕掛けているところも注目です。自分以外の人が捜査対象に挙がり迷惑をかけることが嫌だったようです。

映画タイトル「シチズンフォー」は、ポイトラスとのやり取りで使用したハンドルネイムです。ちょっと気になったのですが、使用しているノートPCや部屋のテレビはSONY製でした。

 

感想

驚きのドキュメンタリー映画です。2013年6月にエドワード・スノーデンの米政府機関に対しての暴露事件が世界を震撼させました。その時のエドワード・スノーデンの生の映像です。しかも自らが積極的に映画を撮らせているのです。この映画は暴露の軌跡と暴露理由が良く分かる作品です。実際にスノーデンが機密情報をノートPCから抜き取って記者に渡す場面や今後の逃亡を相談しているシーンなどは緊迫感が伝わってきます。ホテルの部屋の盗聴なども非常に気にしていて警戒心が強く、映画後半では目の隈が濃くなっていて疲労が蓄積していることが分かります。暴露理由を聞く限り正義感の強い人物に思えます。 

多くの亡命は社会主義国家から民主主義国家へのものがほとんどですが、この事件は逆で、年収2千万円の国家機関NSA勤務のスノーデンが自由の国アメリカを追われる話です。自分の身を投げ打ってまでも告発したかった米政府機関の情報管理システムとはこれからどんな社会を構築していくのでしょうか?事件が発生したのは2013年なので、かれこれ3年になります。日本では特定秘密保護法が制定され国の情報に対する管理はどんどん強まっています。テロ対策でプライバシーの保護はなくなっていっているような感じさえ受けます。情報システムの職に携わるほとんどの人が秘密厳守の契約にサインしたのではないでしょうか?マイナンバー制度も導入されどんどん管理が強くなっていっています。スノーデンが否定したかった社会がよりスピードをあげて成長しています。残念ながらプライバシーを傍受されていると知ったところでFacebook、Twitter、Google、Microsoft、Appleなどのインターネット利用に制限をかけた人は少ないと思います。

私がこの映画を観たのは「なぜ、スノーデン氏は告発したか?」を知りたかったからです。映画で言っているようにプライバーシーが無くなってしまう危機感だけからなのでしょうか?愛国心の強かったスノーデンがアメリカへの幻滅が大きかったからということもあるのかもしれません。もし自分が裕福な生活を送り国に不正と思われる行為を知ったとしても告発し国を追われる立場を選択するのだろうか?正義感の強さからこれだけのことをやったのならば表の世界で活躍することを願いたい。

今スノーデン自身は、ロシアからインターネットを使用して活動しているようです。きっとアメリカの生活よりも充実した生活を送っているのでしょう。30歳という若さでインターネットの世界の中だけで生きなくてはならなくなった彼がもう一度日の目を見る機会は与えられないのだろうか?

国家権力などの大きな組織はコンピューターシステムで多くの情報を収集し管理・監視を迅速に行えるようになってきています。その反面、それらの情報にアクセス可能な人物がスノーデンのような暴露を試みた時、意外と簡単に大量データが抜き出され世界を揺るがしかねない事件に発展してしまう恐ろしい時代なのです。

予告動画

youtu.be

スノーデンのその後

ロシアへの亡命を成功させ期限付き居住権を得て無事彼女も呼び寄せて生活しているようです。今はネットを中心に活動を行っているようです。Twitterでも発言を行っているようです。フォロワー数が200万!

twitter.com

国家情報の暴露としてはジュリアン・アサンジ氏のWikiLeaksも有名ですが、彼は英のエクアドル大使館に一歩も出られない状況でいます。スノーデンの支援を行ったことでもが明らかになっています。しかしスノーデンはWikiLeaksを見習ったこのような事件を行った訳ではないようです。

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