スティーブン・キングの小説をドラマ化した『ランゴリアーズ』を観ました。スティーブン・キングらしい思わぬ展開のサスペンス・ホラー作品です。
作品情報
公開:1985年
時間:180年
あらすじ
ロサンゼルスからボストンへの飛行機の中、目が覚めると多くの人々が消えていた。残った10名は遠くから迫ってくる音に怯えながら、元の世界に戻る方法を探ることとなる。
感想
想像を掻き立てる様々の設定
何と言ってもストーリー設定が面白いです。
- パイロット、政府工作員、目が不自由な少女、精神が不安定な銀行員と残された10名の様々な登場人物
- 飛行機で突然人がいなくなる
- 時間の裂け目に入ってしまう
- ランゴリアーズという化け物を信じている男がいる
- 時間の裂け目の世界でランゴリアーズが現れる
- ランゴリアーズは悪いヤツから食ってしまう
- ランゴリアーズは全ての物食い尽くす
時間の裂け目
時間の裂け目の世界というのがこの物語独自の世界で、「よくこんな世界を思いつくものだ」と感心してしまいます。理論的に理解すことが出来ない世界です。音がならない、味がしない、火が着かない、時間の経過が早いなどと時間の裂け目の世界は設定されています。通常の世界から時間の裂け目の世界に移動した機内はそれらの現象は現われていないということが脱出の糸口になっていきます。
ランゴリアーズ
ランゴリアーズは、銀行員が父親から「怠け者はランゴリアーズに食われてしまう」と幼い時に教えられた架空の化物で、時間の裂け目の世界でその化物が現われ、生存者を襲ってきます。こういう人の空想で作り上げた恐怖が現実となるところにスティーブン・キングらしさが表れています。恐怖は人間の意識の中で創造されていることをとてもわかりやすく表現しています。
登場人物のキャラクター
機内に残された10名のそれぞれ異なるキャラクターが180分と長いということもありとても丁寧に描かれています。残された10名は、
- パイロット
- 工作員
- 小説家
- 盲目の少女
- 銀行マン
- 教師
- 音大生
- 飛行機の整備士
- 不良少女
- 中年サラリーマン
と様々な面々です。
180分という時間を感じさせない
ストーリーが奇妙な世界に引きずり込まむものなので常に次の展開が気になり180分間は長く感じません。サスペンス、ホラー、ミステリー、ファンタジーを上手く織り交ぜ脳を刺激されまくる作品です。TVドラマの『LOST』が似ている感じがします。
じわじわと湧いてくる面白さ
スティーブン・キングの作品は、『ショーシャンクの空に』や『グリーンマイル』のような感動作品と『シャイニング』、『キャリー』のようなモダン・ホラーに大別されます。今作品はモダン・ホラーとなりますが、直感的に怖いと感じるものではなく、一度頭の中に納まり理解してから感じてくる怖さです。映像も恐オモロイという感じで表現されていて、何故か頭の中に残るものが多いです。
スティーブン・キング作品まだまだ観ていないものがありますので、今後も少しづつ観ていこうと思います。『ランゴリアーズ』5年後くらいにまた観ている気がします。
関連記事
Amazon
DVD
小説
ランゴリアーズ (文春文庫―Four past midnight)
- 作者: スティーヴン・キング,小尾芙佐
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/07
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 9回
- この商品を含むブログ (34件) を見る