11月26日公開の『ブルーに生まれついて』。イーサン・ホークが1950年代のジャズミュージシャン、チェック・ベイカーを演じます。今回は主人公であるチェック・ベイカーについて書いてみます。
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チェット・ベイカーは以前ジャズバーでちょっとだけ聴いたことがあるんですが、都会に疲れた男が一人部屋で腰を下ろすというムーディーな印象です。
では、どんな人物だったのでしょう?
チェット・ベイカーとは
略歴
1929年12月23日生まれ
アメリカ合衆国 オクラホマ州イェール出身
トランぺッター&ヴォーカリスト
「My Funny Valentine」が代表曲の1つ
ジャズ界のアイドル的存在でマイルス・デイビスを凌ぐほどの人気があった。
1960年代にかけてヘロインに耽溺。ドラックがらみのトラブルで服役する。喧嘩で前歯を折られトランペットが吹けなくなったことも
1986年3月に初来日
1987年に再来日
1987年から1988年にかけて自伝的ドキュメント映画「Let's Get Lost」を収録 1988年5月13日ホテルでの転落事故で没。満58歳
ドラッグ
ドラック中毒者だったんですね。その頃はミュージシャンがドラッグにハマることはそれほど珍しいことではなかったのですが、彼は若くしてスターになったので30代になる前にドラック中毒になっていたようです。
自伝的ドキュメント映画「Let's Get Lost」を観ると、相当老けていて70歳くらいに見えます。ドラッグに心身共に蝕まれた結果なんでしょう。
1988年5月13日の死因もホテルの窓から転落して亡くなったようです。部屋にはヘロインがあったということですから止めることは出来なかったようです。
ヴォーカリスト
ミュージシャンとしてはジャズトランぺッターなんですが、ヴォーカルもしています。個人的な意見になるんですが、歌はか細い絞り出すような囁き声で、どう聴いても上手いと思えない。ただ彼にしかない独特の雰囲気があるんですよね。代表曲の「My Funny Valentine」は、多くの有名ミュージシャンがカバーしているのですが、彼の曲がいいという人は多いのではないでしょうか。
My Funny Valentine
代表曲の「My Funny Valentine」、何人かのミュージシャンで聴き比べしてみましょう。
チェット・ベイカー編
イーサン・ホーク編
『ブルーに生まれついて』では、イーサン・ホークがこの曲を歌っています。
イーサン・ホークがチェット・ベイカーに!『ブルーに生まれついて』特別映像
スティング編
スティングのもありましたので、3:40くらいからです。
次は女性です。
サラ・ボーン編
低音が凄いです。
アリス・フレドナム編
オーディション番組で有名になったミュージシャンです。
番組で歌った時の映像はこちらから
チェック・ベイカー(晩年)編
最後に晩年のチェック・ベイカーです。
押し殺すような歌からトランペットに繋いでいます。歌とトランペットを上手く組み合わせています。
大変に個性的なチェット・ベイカーでしたが、『ブルーに生まれついて』でイーサン・ホークがどのように演じているのか楽しみです。
ドキュメント映画「Let's Get Lost」(1時間59分)では、実物大のチェット・ベイカーを観ることが出来ます。和訳ナシですが『ブルーに生まれついて』の鑑賞前に観てはいかがでしょうか。