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映画『ビッグ・フィッシュ』感想 ティム・バートンが描くファンタジーで結ばれる親子の絆 ※ネタバレあり

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映画『ビッグ・フィッシュ』を観ました。ティム・バートンが描くファンタジーに込められた愛情物語です。いい作品でした。

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 作品情報

公開:2003年

時間:2時間5分

監督

主なキャスト

 

エドワード・ブルーム=回想=( ユアン・マクレガー)
エドワード・ブルーム(アルバート・フィニー)
ウィル・ブルーム(ビリー・クラダップ)
サンドラ・ブルーム(ジェシカ・ラング)
ジェニファー・ヒル / 魔女(ヘレナ・ボナム=カーター)
サンドラ・ブルーム=回想=(アリソン・ローマン)
ジョセフィーン・ブルーム(マリオン・コティヤール)
巨人カール(マシュー・マッグローリー)
ミルドレッド(ミッシー・パイル)
エージェント(ディープ・ロイ)
ベネット医師(ロバート・ギローム)
ノザー・ウィンズロー(スティーヴ・ブシェミ)
エーモス・キャロウェイ団長(ダニー・デヴィート)

 

感想

素晴らしい映画でした。

ファンタジーというものに込められる愛情を一人のファンタジーに生きた男性を描くことで表した傑作です。

2003年公開なので、13年間気に留めなかったことがショックと思えるくらいです。

監督は、『アリス イン ワンダーランド』のティム・バートン。ファンタジーの世界を描く天才です。でもこの作品は、映画の登場人物が語る話がファンタジーになっているので、客観的にファンタジーを見る事ができます。

主人公エドワード・ブルーム語る話が全てファンタジー(作り話)なので彼の息子ウィルは、そういう父の話に嫌気が差していた。余命僅かな父の真実を知ろとするウィルはファンタジーに秘められた父の深い愛情を知ることとなる。父エドワードは息子が抱いている人物像とは違い、遥かに立派な人なのです。

タイトルのビッグ・フィッシュは、父が話すファンタジーに登場する魚で

「決して釣られることのないアラバマの怪魚だが、金の指輪で釣り上げることが出来た。」

というもの。オチは

「釣れない魚も女性も金の指輪(結婚指輪)で釣ること出来る。」

という始末です。

人は、誰しも子供のころファンタジー(空想、幻想)を想い描きます。そしてその片鱗が現実となって大人になります。

息子のウィルは、父親の本当の話を知りたがるのですが、父はそのファンタジーが自分の現実だと言って聞きません。

現実がファンタジーから創られるのであれば、大切なことはファンタジーとなるので、人に伝えることはファンタジーでいいのかもしれません。

父が最後息を引き取る時、今までファンタジーを拒んでいたウィルが父の「川」と言う言葉と「この病室・・・」でという出だしから、父の「死ぬ時の話」を創り聞かせます。

実はこの「死ぬ時の話」というのは、父の話に出てくるもので、魔女の目に自分の死に様が映るというもの。父はよくその話をしたが死ぬ時のことはウィルに話していなかった。魔女の目には何も映っていなかった。それは、ファンタジーの中で死を遂げることの暗示だったんだと思います。

まるで子供がおとぎ話を聞くように、息子の自分が話す「死ぬ時の話」を聞きながら幸せな形で息を引き取るのです。

「こんな幸せな死に方ってあるのだろうか?」と思える最後です。

 

エドワードが生まれ故郷を去る時に魔女から受けた言葉です。

「The biggest fish in the river get that way by never being caught.(人に釣られない魚が川で一番になる)」

 

お勧めの作品です。

 

予告動画


Big Fish (2003)

JustWatch

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 関連作品

 ティム・バートンの作品です。

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ビッグフィッシュ―父と息子のものがたり

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