前回に引き続きスティーブン・キング原作の『ショーシャンクの空に』を観ました。冤罪での刑務所生活18年という人生の大半を描いた名作です。
写真:AFLO
作品情報
公開:1994年
時間:2時間23分
原作
監督
主なキャスト
あらすじ
長年ショーシャンク刑務所に入っている囚人レッド(フリーマン)と無実の罪で収監された元銀行副頭取アンディ(ロビンス)の友情を軸に、アンディが巻き起こす数々の奇跡が描かれる。
感想
若くして銀行の副頭取にもなったエリートサラリーマンが冤罪で劣悪極まりのない刑務所で生活するということはどういう心境だろうか?
妻を殺そうとした事は事実で自分の潔白を証明することも難しいでしょうし禁酒したということは自分の中にも多少の落ち度は認めているわけですが、終身刑2つ分はあまりに酷すぎる。並の人間なら自暴自棄になってもおかしくないのだがアンディはそういう境遇でも諦めることなく平常心を維持します。
アンディの罪を説明しておきます。奥さんがプロゴルファーと浮気をしていて、酒の勢いを借りて2人が会っているところに乗り込み殺害しようとしたが断念。しかし、次の日に2人は遺体となって発見された。情況証拠からアンディが犯人とされ終身刑2つ分という重い刑罰が下される。不運としか言いようがありません。
刑務所内は悲惨なものです。刑務官をはじめ所長までもが不正を行い、囚人たちは絶望感で苛まれ、あげくの果てにアンディは性欲の対象をされてしまいます。妻に裏切られ、妻を失い、終身刑を言い渡されれば自殺を考えてもおかしくない状況です。しかし、アンディは前向きに生き、腐敗した刑務所内で奇跡を起こしていきます。
キッカケは屋根のペンキ塗りの作業の時からです。刑務官の資産運用についての話を盗み聞きして自分がその問題の役に立てると申し出たのです。それからいくつかの奇跡を起こし始めます。
- 所長を初め職員の税務対策のアドバイザーとなり、刑務所内ではありますが自分の立場を築きあげる
- 図書館の本が少ないので、州議会に毎週手紙を送り2年掛けて予算の見直しをさせる
- 所長の裏帳簿の処理を担当するまでになる
- 囚人たちに向上心が生まれ絶望にみちていた所内に光が差すようになる
奇跡を起こすアンディの人物像は
- 自身の置かれた立場を受け入れ、その環境を改善していく
- コツコツと努力し信頼を勝ち取り自分の立場を変えて行く
- 所長や刑務官だけでなく、仲間への心遣いも忘れない
欠点といえば完璧を求め過ぎるところかな
所内の環境を改善し、いくらか居心地もよくなった時に大きな出来事が起こります。妻とプロゴルファーを殺した犯人を知っているという人物が現れたのです。名はトミーと言い根っからのコソ泥で字の読み書きも出来ない若者です。アンディは所長にトミーを証人に立て自分の刑の再審を願い出ます。しかし所長の裏帳簿という秘密を握ってしまっているために却下され、更にトミーは脱走を試みたことにされて射殺されてしまします。
この出来事で長年コツコツと壁に穴を掘っていたアンディは脱獄を決意します。脱獄後は所長の裏帳簿を告発し、おまけに裏金も頂いてしまうという爽快なものです。
入所から20年近く経てやっと無実での投獄という屈辱を晴らします。
この作品は無実で投獄されたという特殊な人を描いたものですが、一般の人に置き換えて観ることも出来ると思います。例えばブラック企業に従事している人に置き換えることが出来ますし、感じ方によっては社会自体を刑務所として置き換えることも出来ます。そうやって観るとアンディの行動は人が社会で生きていくためのいい教訓になるのではないでしょうか。
奇跡を描いた作品ではありますが、アンディの地道な18年間、レッドにおいては服役30年間という長い年月が作品の大きな重みとなっています。コツコツと物事を積み上げることの大切さは、実践した人と身近でその結果を目にした人にしか分からない貴重なことの様に感じます。
ラストに映しだされるメキシコの真っ青な空と海が解放された2人の晴れ晴れとした心を描き出しています。
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