映画『マスター・アンド・コマンダー』を観ました。2000年に『グラディエーター』でラッセル・クロウがアカデミー主演男優賞を授賞した3年後、ますます演技に磨きがかかった頃の作品です。
(C)2003 Twentieth Century Fox Film Corpolation and Universal Studios and Miramax Corp. All Rights Reserved.
作品情報
公開:2003年
時間:2時間19分
監督
主なキャスト
あらすじ
ナポレオン戦争中の1805年、場所はブラジル西岸沖、名艦長ジャック・オーブリー(ラッセル・クロウ)指揮する英国艦船サプライズ(老いぼれ)は、フランスの強力な私掠船(私設軍艦)アケロン号を拿捕すること政府から命じられていた。アケロンは未来の艦船と思わせる新しい型の船で速度も強度もサプライズ号を上回っていた。
一回目の接触では突然霧の中から姿を表したアケロン号に完敗し、甚大な被害をおってしまう。オーブリーは、アケロン号への復讐に燃え、その豊富な経験と持ち前の戦術で執拗なまでの追跡を始める。そんな指揮官の下、船員たちの懐疑的な態度を覗かせるがオーブリーはものともせず、さらにアケロン号の追撃を続けるが、嵐、それに続く無風状態などの気候によるダメージは船員たちの士気を低下させていく。
そんな中、オーブリーの無二の親友であり、サプライズ号の医者、そして博物学者でもあるマチュリン(ポール・ベタニー)は常に軍事優先のオーブリーの方針に、異議を唱え激しい口論を引き起こす。名艦長オーブリーは、船員たちの信頼を維持し士気を高め、アケロン号の拿捕に努める。
- ジャック・オーブリー艦長:ラッセル・クロウ
- スティーブン・マチュリン軍医:ポール・ベタニー
題名の「マスター・アンド・コマンダー」は当時の英海軍の役職名。
ナポレオン戦争
1803年~1815年にナポレオン率いるフランスとその同盟国(イタリア王国、デンマークなど)とイギリス、オーストリア、ロシアなどの対仏同盟国の戦い。ヨーロッパの大半を征服したフランスに対しての反乱の戦争。
オーブリー艦長の尊敬するネルソン提督
ホレーショ・ネルソン (初代ネルソン子爵) - Wikipedia
感想
作品の中心は、名艦長ジャック・オーブリーのリーダー像で、その掌握能力が見事で、船員の反感や呪いの噂など幾度の苦難も機転の効いた采配で来る抜けていく。会社の管理者の方が観ると勇気づけられる作品だと思います。彼の心を支える女房役の船医マチュリンに対する関係も見事です。人に心の支えが必要で意見が別れた時に少しでも歩み寄ろうとする姿勢は自身にも充実感をもたらすものに思えます。ほとんどが戦艦上の男達を描いていますが途中のガラパゴスへの上陸が船員達に安らぎを与え、この上陸はオーブリーの寛容の証ともなっています。ガラパゴス上陸によって船員たちを心をがっちりと掴み、今までの懐疑的な意見も払拭してしまします。
ジャック・オーブリーの人物像
- 任務に対しての強い責任感
- 優先順位の判断力
- 組織の序列には厳格
- 不利な状況も一転させる頭脳
- 仲間とコミュニケーション
- 心の安らぎを楽しむ余裕
- 約束を守る信頼感
船上のシーンがほとんどで船乗りの男ばかりの映像です。敵の砲撃で若き士官候補が片腕を失い、嵐では船の安全を優先して船員を見捨なければならず、期待する若き士官が自殺したり、船医が誤射で大怪我を負うなど船上は次から次と問題が発生しますが、しっかりと対処していきます。
理想のリーダー像ですが、彼のような寛容で頼りがいのある人物がリーダーだと下の者も納得して従事出来ます。ただ、今の日本ではブラックと判断されるところもい大いにあります。
予告動画
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