ここ数日間、マーティン・スコセッシ監督とディカプリオが組んだ5作品を観てきました。スコセッシ監督はきっちりとした構図で撮影するので、演出がちょっと乱暴でも品のいい作品に仕上がります。そしてストーリー展開も速く2時間超えは当たり前なんですが、それほど長く感ません。
参照:マーティン・スコセッシ - Wikipedia、レオナルド・ディカプリオ - Wikipedia
マーティン・スコセッシについて
どの監督もそうなんですが、気に入った俳優さんとは何度も組みます。レオナルド・ディカプリオと組む前は、ロバート・デ・ニーロと組んだ作品が多かったです。全42作品で9本のドキュメンタリーを引くと33作品です。内ロバート・デ・ニーロ出演が8作品、レオナルド・ディカプリオ出演が5作品です。13/33ですから約40%2人の名優と組んでいます。
作品一覧
赤字がロバート・デ・ニーロ、紫字が、レオナルド・ディカプリオです
公開年 | 邦題 | 備考 |
---|---|---|
1963年 | 君のような素敵な娘がこんなところで何してるの? | |
1964年 | It's Not Just You, Murray!(邦題不明) | |
1967年 | The Big Shave(邦題不明) | |
1967年 | ドアをノックするのは誰? | 兼 脚本・出演 |
1970年 | Street Scenes(邦題不明) | |
1972年 | 明日に処刑を… | |
1973年 | ミーン・ストリート | 兼 脚本・製作・出演 |
1974年 | Italianamerican(邦題不明) | |
1974年 | アリスの恋 | 兼 出演 |
1976年 | タクシードライバー | 兼 出演 カンヌ国際映画祭 パルム・ドール 受賞 |
1977年 | ニューヨーク・ニューヨーク | |
1978年 | American Boy: A Profile of Steven Prince(邦題不明) | ドキュメンタリー映画 |
1978年 | ラスト・ワルツ | 兼 出演 ドキュメンタリー映画 |
1980年 | レイジング・ブル | 兼 脚本・出演 |
1983年 | キング・オブ・コメディ | 兼 出演 |
1985年 | アフター・アワーズ | カンヌ国際映画祭 監督賞 受賞 インディペンデント・スピリット賞 作品賞 受賞 |
1986年 | ハスラー2 | |
1986年 | 世にも不思議なアメージング・ストーリー(オムニバス作品) | |
1988年 | 最後の誘惑 | 兼 脚本 |
1989年 | ニューヨーク・ストーリー(オムニバス作品) | |
1990年 | グッドフェローズ | 兼 脚本・製作 ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞 受賞 |
1991年 | ケープ・フィアー | |
1993年 | エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事 | 兼 脚本・出演 |
1995年 | カジノ | 兼 脚本 |
1995年 | マーティン・スコセッシ 私のアメリカ映画旅行(仮題) | ドキュメンタリー映画 |
1997年 | クンドゥン | |
1999年 | マーティン・スコセッシ 私のイタリア映画旅行 | ドキュメンタリー映画 |
1999年 | 救命士 | |
2002年 | ギャング・オブ・ニューヨーク | 兼 出演 ゴールデングローブ賞 監督賞 受賞 |
2003年 | フィール・ライク・ゴーイング・ホーム | |
2003年 | The Blues | ドキュメンタリー映画 |
2004年 | アビエイター | 兼 出演 |
2005年 | ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム | ドキュメンタリー映画 |
2006年 | ディパーテッド | アカデミー監督賞 受賞 ゴールデングローブ賞 監督賞 受賞 |
2007年 | The Key to Reserva(邦題未定) | |
2008年 | ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト | 兼 出演 ドキュメンタリー映画 |
2009年 | シャッター アイランド | 兼 製作 |
2010年 | Public Speaking | ドキュメンタリー映画 |
2011年 | ジョージ・ハリスン/リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド | ドキュメンタリー映画 |
2011年 | ヒューゴの不思議な発明 | 兼 製作・出演 ゴールデングローブ賞 監督賞 受賞 初の3D映画 |
2013年 | ウルフ・オブ・ウォールストリート | 兼 製作 |
2016年 | 沈黙 |
人物像
シチリア系イタリア移民の家に生まれ、マフィアの支配するイタリア移民社会で育ったため、その人格形成と作品の双方にはその出自が深く影響し、腐敗した矛盾に満ちた現実のなかでいかに人間としての倫理と善良さを実践できるか、それがしばしば不可能であることの苦悩を追求する映画が多い。また、そのなかでは人間の人間に対する無理解と不寛容の直接的表現として、リアルな暴力描写が重要な位置を占める。
ニューヨーク舞台を舞台にしたものが多く、暴力ものが目立ちます。女性受けしない作品が多い気がします。そういう意味では女性人気があるディカプリオとのコンビは良かったのかもしれません。
構想30年の『ギャング・オブ・ニューヨーク』が興業不振だったそうです。その後の2作品の『アビエーター』、『ディパーテッド』は本人が企画したものではないが大ヒットを収めたということです。彼ほどの経験の持ち主が満を持して臨んだ作品でも興業不振になってしまう映画の世界、制作費が膨大であるために怖いです。
レオナルド・ディカプリオについて
彼の出世作と言えば『タイタニック』ですが、その映画で余りにも王子様の印象が強く広がり、その印象をぬぐい去るまでかなりの時間がかかったように思います。
エコロジーに感心が強いようでエコロジー活動のWebサイトも立ち上げています。
名前の由来
レオナルドの名は、母が妊娠中にイタリアの美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画を鑑賞している最中に胎児が強い反応を示した(腹部を蹴った)ことに由来する。
なかなか大胆な名前の付け方ですね。母親にしかわからないインスピレーションがあったのでしょう。絵画の世界ではなく映画の世界の人となりましたが...
作品一覧
紫字マーティン・スコセッシ作品
タイタニック以前の若い頃からいくつもの賞を授賞していたようですので、アカデミー賞授賞までの道のりはなおさら長く感じたのではないでしょうか。
スコセッシ監督とディカプリオが組んだ5作品
年代順に並べるとこうなります。
- ギャング・オブ・ニューヨーク(2時間47分)
- アビエイター(2時間30分)
- ディパーテッド
- シャッター アイランド(2時間18分)
- ウルフ・オブ・ウォールストリート(2時間59分)
『シャッターアイランド』以外は全て2時間30分を超えます。
『アビエイター』、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は実在の人物を主人公としています。難しい実在の人物像をディカプリオは上手く演じています。
満足度で順位をつけてみます
1位 ウルフ・オブ・ウォールストリート
ハチャメチャな成り上がり証券マンのジェットコースター人生をコミカルに描いています。R-18指定なのでお気をつけてご覧ください。
2位 ディパーテッド
香港映画『インファイナル・アフェア』のリメイク版です。マフィアに潜りこむ捜査官と警察に潜りこんだマフィアの手先の二人を描いたサスペンス作品。マッド・デイモの方が光っていた印象です。
3位 アビエイター
実在の大富豪、実業家、そして飛行家であるハワード・ヒューズの波乱の人生を描いた作品。飛行機に対する想いに馳せられ一切妥協しないその生き方は観ていて気持ちいい。
4位 ギャング・オブ・ニューヨーク
アイルランド移民とネイティブのギャング闘争の話。ちょっと残虐な場面が、痛々しかった。民主主義と移民政策による社会混乱をギャング闘争を踏まえて描いています。
5位 シャッターアイランド
凶悪犯罪者を収容する精神科の刑務所シャッターアイランドでの脱走者捜索を描いた作品。最後にどんでん返しがあるのですが、本当と幻想と演出が分からなくなってしまい疲れます。1度は観る価値ありますが、二度はないと思います。
どれもいい映画何ですが、個人的に順位をつけてみました。
最後に、ディカプリオには、この中からアカデミー賞を授賞してほしかったです。
Amazonビデオ
予告編がご覧になれます。