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映画 いくつもの感動と出会い

映画『シュガー・ブルース 家族で砂糖をやめたわけ』感想 食卓ではじめる「無血革命」 ※ネタバレあり

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ドキュメンタリー映画『シュガー・ブルース』を観てきました。怖い精製糖の健康被害を訴える映画です。白砂糖は私たちも非常になじみのあるものです。監督のアンドレアは角砂糖発祥の地チェコの人です。

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(C)GOLDEN DOWN

作品情報

・公開:2014年

・時間:1時間21分

・監督/制作:アンドレア・ツルコヴァー(チェコ共和国)

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解説

監督のアンドレア・ツルコヴァーはチェコの女性ドキュメンタリー映画作家。自らが妊娠糖尿病と診断された事をきっかけに、自身の家族の砂糖断ちと砂糖業界の謎を5年間にわたりフィルムにまとめています。

砂糖断ちは、スーパーで買い物をし料理する一般的なやり方では難しいことを綴っています。材料を吟味し子供が喜ぶものを作ることは大変そうです。一度砂糖の甘い味を覚えてしまうと空腹とは別の中毒にも似た症状で砂糖を求めてしまうとか。その仕組みも映画の中でしっかりと説明しています。

砂糖を摂取する→血糖値が急激に上昇する→血糖値を抑えようと過剰にインスリンが分泌される→血糖値が急激に下降する→低血糖になる→砂糖が欲しくなる

このような流れだったと思います。

妊婦が砂糖を摂取した時の胎児への影響も語られていて、ブドウ糖で胎児に栄養が送られればいいわけではなく、過剰に送られたことによる胎児の反応(インスリンの分泌)が逆に栄養分を消耗することなど、驚きの内容でした。胎児が無駄に大きくなる原因の一つであるこのもか語られています。お子さんを出産される方は基本知識として学ばれた方がいいと思う内容です。

映画のタイトル「Sugar Blues」は、ウイリアム ダフティというアメリカ人が女優の奥さんの影響で40年前に出した書籍で名前です。残念ですが日本では絶版になっています。シュガー・フリー(砂糖断ち)の実践者のバイブルとして人気があります。映画ではあまり言及されていませんが「マクロビオティック」からの影響が強いです。

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アメリカのAmazonからは英語版が購入できるようです。

www.amazon.com

 インタビュー内容

 印象に残った有識者のコメントを紹介します。

 

「砂糖は血糖値をジェットコースターのように急上昇・急下降させる」

  ニューヨーク市立大学心理学教授 リチャード・ボドナー

 

「砂糖はADHDや統合失調症、アルツハイマーなど、様々な脳疾患のリスクをもたらす」

  ニューヨーク市立大学教授/臨床研究者 ヨウコ・ノムラ

 

「”自然食品を”売る多国籍企業にとって、それが本当に健康にいいかどうかは関係のないことだ」

  クシ・インスティテュート・オブ・ヨーロッパ理事 アデルベルト・ネリセン

 

 「心臓疾患の本当の原因はコレステロールではなく高血糖だ。」

  心臓外科医 ドワイト・ランデル 

 

所感

シアター「UP-LINK」

利用したシアターについて述べたいと思います。今回利用したのは渋谷の「UP-LINK」という小さなシアターでした。私は初めて利用したのですが厳選したこだわりのある映画を上映しているようです。収容人数50人くらい小さなシアターですが内容の濃い作品を観ることが出来ます。コアなDVDや書籍も販売されていて個性のあるシアターでした。4D、3Dと付加効果技術が進む映画業界で内容勝負のシアターとして頑張ってもらいたいです。

施設案内 | UPLINK

書籍「Sugar Blues

 今回の「シュガー・ブルース」は、私は15年くらい前にウイリアム ダフティの書籍「Sugar Blues」で出会っています。砂糖抜きで育てられた子供の眼差しが違うとなど、甘いものはそれ程口にしていなかった私でも衝撃的な内容でした。「あれ?同じだタイトルの映画だ」ということでこの映画を観ることになりました。40年前に出版された書籍です。

始めは書籍との関連がないのかな思っていたのですが、映画でも書籍「Sugar Blues」が紹介されていました。妊娠糖尿病と本気で取り組むアンドレアが「これだけ砂糖が原因とされる病気が蔓延しているのに何故40年前シュガー・フリーの警鐘が響かなくなっていったのか?」という疑問にぶち当たります。確かに不思議なことです。たばこやお酒は税をかけて規制していますが、糖尿病が蔓延している社会で症状が出てからの食事制限のみというのはおかしなことです。映画ではこの謎についても追及しています。

構造的な暴力

経済的自由主義の「構造的な暴力」というものは、利益を生み因果関係が証明されなければ肥大します。そしてその市場が大きくなればなるほど力を持ち業界の維持のためにあらゆる策が練られていきます。そしてその悪行を「ビジネスですから」という言葉でごまかします。家族を養っていかないといけないから仕方ないのない事なんですけどもいい事とは思えません。案外、その業界の人がしっかりと対策を取っているかもしれません。農家でも自分の家族で食べる作物は農薬の量を抑えて作るという話はよく聞きます。私の親戚で大手の食品会社で働いていた人がいますが、田舎に帰ってくる度に「こういう家の畑でとれた食べものが一番いい、自分たち(大企業)が作っている商品ばかり食べていると病気になる」と言っていたのを思い出します。現在社会は大量生産の食品依存しています。そういう食品での健康被害は経済的自由主義の中では特に拡大のスピードを早めていきます。

パンフレッド

鑑賞後、映画のパンフレッドと関連書籍を購入しました。このパンフレッドがなかなか良かったです。映画をご覧になって共感できた方はご一読することをおすすめします。「Sugar Blues」の翻訳者田村源二さんの記事や砂糖の歴史年表などあり面白いです。年表は、糖尿病は紀元前7世紀にインドで「蜂の尿(medhumeha)」と呼ばれたところから始まります。人類と砂糖は長い付き合いなんですね。

糖尿病患者数

厚生労働省の平成26年(2014年)「国民健康・栄養調査」によると、糖尿病有病者(糖尿病が強く疑われる人)の割合は、男性で15.5%、女性で9.8%

引用:糖尿病の患者数・予備群の数 国内の調査・統計 | 糖尿病ネットワーク

糖尿病患者は年々増加しています。 数字だけでも大きな問題だとわかりますが、喫煙ほど騒がれていないのが現実です。70才を超えると男性は4人に1人、女性は6人に1人が糖尿病だというから驚きです。

各国の政策

フランスやメキシコ、アメリカ・カリフォルニア州バークリー市では砂糖を含む飲料水の課税が実施されています。イギリスでも審議されているようです。日本は砂糖による被害が欧米ほど深刻ではないので課税することはないようですが、これだけ糖尿病が増えているので対策が必要だと思われます。

最後に

砂糖を口にしたからといって直ちに健康が損なわれるものではありません。しかし、常時口にしていると中毒症状や倦怠感から体の異常は感じられるはずです。自分の体の声に耳を澄ませることの重要性を改めて感じました。私は大きな病気はしたことはないのですが、ここ数年健康診断で引っ掛かる数値が出てきています。今一度自分の体と向き合い悪しき習慣の排除を行いたいと思います。今はお酒の量を減らすことを心がけています。健康は自分自身で維持するもので国や会社が管理するものではないですから。

予告編

Facebookページで予告編が観れます。

www.facebook.com

 

上映シアター 

上映情報は7月25日現在で以下のようになっています。

2016年
7月23日(土)~  渋谷アップリンク [東京]
7月23日(土)~  横浜シネマリン [神奈川]
7月23日(土)~  名演小劇場 [愛知]
8月6日(土)~  大分シネマ5 [大分]
8月20日(土)~  中洲大洋映画劇場 [福岡]
9月17日(土)~  シネ・リーブル梅田 [大阪]
9月以降  京都みなみ会館 [京都]
ほか全国順次公開

上映情報

エンディングミュージック

歌手はエラ・フィッツ・ジェラルドです。

アルバム「ザ・ベリー・ベスト」の12番「シュガー・ブルース」 

※シングルでは見つけられませんでした。

ザ・ベリー・ベスト

ザ・ベリー・ベスト

 

 

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