映画『シャッフル』の感想です。朝目覚めると日にちが前後バラバラに訪れ、未来が分かってしまうタイムスパイラルサスペンス作品です。
作品情報
公開:2007年
時間:1時間36分
監督
主なキャスト
リンダ・ハンソン(サンドラ・ブロック)
ジム・ハンソン(ジュリアン・マクマホン)
ミーガン・ハンソン(シャイアン・マクルーア)
ブリジット・ハンソン(コートニー・テイラー・バーネス)
アニー(ニア・ロング)
ジョアンヌ(ケイト・ネリガン)
クレア(アンバー・ヴァレッタ)
ロス医師(ピーター・ストーメア)
あらすじ
愛する娘たちと幸せにくらしていたリンダのもとに、夫のジムが交通事故で死亡したという連絡が入る。その翌日、悲しみにくれるリンダの前にジムが何事もなかったかのように現れ……。
感想
タイトルの「シャッフル」って何?を思ってしまうんですが、何んと目覚めた日付が前後バラバラになっているというもの。原題は、「Premonition(前兆)」です。訪れる日付がシャッフルされていて未来を体験し、そのため過去に戻った時に、訪れるであろう不幸を回避しようとする話です。
主演は『スピード』でお馴染みのサンドラ・ブロック(リンダ役)。始めは死んだはずの夫が生きていたり、ガラスで大怪我をした娘が無傷だったりとリンダ同様に観ている側も訳が分からないのですが、日にちが入れ替わっていることが徐々にわかってきます。
作中に自分が体験している不思議な現象を神父に相談しているところがあるのですが、そこで神父は魔女の話を持ち出します。もしこのような能力を持っている者がいたら気味悪がられ魔女扱いされていたのかもしれません。
夫のジムはトレーラーと衝突して死亡するのですが、既にその日を過ごしているリンダは、その前日が訪れた時に事故を防ごうとアドバイスします。しかし事故は防げません。
ただ、前夜に愛を確かめ合い子供を授かるのです。
教会での神父の言葉が印象に残ります。
ラテン語「ブラスフェイマレ・アブセンス・フィデス」(信仰なき者の危険)
「自然は真空を嫌う」
「信仰をなくした者は空の器と同じで自分より強力な力に支配されやすい」
「毎日生きていることが奇跡」
「信仰とは自分を超えた何かを信じること」
信仰心はないのですが、為になる言葉だなと感じました。
ラスト、未来を変えられず夫を失ってしまうのですがお互いに愛を確かめ合ってからの死だったので気持ちのいい終わり方でした。
「遅すぎはしない。何が大切か?何のために戦うのか?を気付くことは」
この言葉の通りに訪れる不幸と戦ったことで本当に大切なものを手に入れた感動のラストでした。単なるサスペンスとして観ても面白いのですが、人生の価値を見つめ直せるいい作品だったと思います。未来を受け入れた時のリンダの穏やかな表情が印象的でした。