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『ダンケルク』感想 英国が一つになったダイナモ作戦 ※ネタバレあり

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第二次世界大戦初頭、フランス港街ダンケルクを舞台にした戦争映画。監督は『インターステラ』、『ダークナイト』、『トランセンデンス』のクリストファー・ノーランです。

作品情報

公開:2017年

時間:1時間46分

監督:クリストファー・ノーラン

主なキャスト

英国陸軍二等兵:トミー(フィン・ホワイトヘッド)

トミーと行動を共にする無口な兵士:ギブソン(アナイリン・バーナード) 

海軍将校:ボルトン中佐(ケネス・ブラナー)

陸軍将校:ウィナント大佐(ジェームズ・ダーシー)

英国空軍

ファリア(トム・ハーディ)
コリンズ(ジャック・ロウデン)

小型船の船長:ミスター・ドーソン(マーク・ライランス)

ミスター・ドーソンの息子:ピーター(トム・グリン=カーニー)

ミスター・ドーソンに同行する青年:ジョージ(バリー・コーガン)

謎の英国兵:(キリアン・マーフィー)

ダンケルク

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第一次世界大戦ではベルギーを占領したドイツ軍から砲撃を受けた。1918年1月1日にはアメリカ海軍が水上機基地を開いている。基地は休戦協定締結のすぐ後に閉鎖された。第二次世界大戦初期、1940年にベルギー・フランス国境を突破したドイツ軍に押され、34万人の英仏軍がドイツ空軍の爆撃のなか英国に脱出したダンケルクの戦いで名高い。大戦中、ダンケルクの町は空襲によって大部分破壊されている。

ダンケルク - Wikipedia

 大きな港があるという事で戦争に関わることが多いかったようです。

 

感想

1時間46分という上映時間があっという間に終わってしまいました。これは監督クリストファー・ノーランのマジックです。矢継ぎ早に展開されていく戦場での危機と困難。それを断片的に3つの時間軸で構成し、まるで観ている者がパズルを解くよう感覚になり惹きつけられていきます。

3つの時間軸

二等兵トミーが敵の銃撃から仲間全員殺されてしまう中、奇跡的に逃れるシーンから始まります。そこから陸、空、海に分けてドイツ軍の猛攻から逃げ惑う兵士の姿が断片的に映し出され緊迫したシーンが続きます。

緊迫シーンの連続

映像の構図、あとテンポの良さも観ている側を惹きつける要因になっています。表情のアップが多く兵士たちの心情が伝わってきます。同監督の『インターステラ』でも”娘のいる地上”と”父親のいる宇宙”を交互にテンポ良く描写した緊張のシーンは印象的でしたが、その感じが蘇ってきました。今作品は終始そのような緊迫感のあるシーンが連続します。セリフは少なくほぼ映像から戦場の状況や兵士の恐怖心が理解できます。観終った後、登場人物の名前は一人も憶えていません。それでも十分に当時のダンケルクの奇跡の救出劇は伝わってきます。

ダイナモ作戦

この作品は、イギリスとフランス軍がドイツ軍の猛攻にあい、ダンケルクから退陣する様子を描いています。英国には30万人の兵士を自国に退却させる力はもうありません。本土に侵略された場合の兵力を備えていないといけないのです。そんな中、民間船の力を借りた救出作戦を展開します。第二次世界大戦1940年5月26日から6月4日に実施されたダイナモ作戦です。

 ダイナモ作戦 - Wikipedia (wikiの記事で書かれているように、そこでの空軍の活躍は陸海軍兵士達は理解していなかったようですが、作中にしっかりとその事も挿し込まれています。) 

船長の言葉

武装していない民間船が戦線に向かって自国兵を救う勇気は称賛に値します。何故命の危険を冒してまで救出に協力したのか?「我々の年代が若い世代に戦争に行かせた。」という船長の言葉はセリフの少ないこの作品の中で胸に響くものです。若い人の苦しみはその前の世代の人たちにも責任がある事だと強く感じるシーンです。

焦点は救出劇

この作品は近年公開される戦争映画同様に戦いを描いていません。クローズアップされる兵士は負け戦で相手に背中を向け逃げる姿です。敵であるドイツ兵の映像はありません。空軍戦闘機と民間船は兵士を救う為に我が命を懸けての戦地に向かっています。ダイナモ作戦は戦いではなく官民が一つになって成しえた救出作戦なのです。戦争映画では、目を覆いたくなるような残虐なシーンやド派手な爆撃シーンが付き物で、それらも映画の楽しみの一つとなる物です。この作品もそのような痛々しいシーンはありましたが短いカットなので脳裏に残りませんでした。あくまで、この奇跡の救出劇は、英国民が一つになったことで成功したんだということに焦点が当てられています。その辺りの表現方法も良かったと思います。

まとめ

母国の為に若者が命を懸ける戦争。日本人の私が感じたものと制作側の伝えたいものとは違ったかもしれません。国の為に戦うことも敵に背中を向けて逃げることも人間の正しい姿であるんだと改めて教えられた作品でした。

予告動画 

youtu.be

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