キネマの館

映画 いくつもの感動と出会い

『めぐり合う時間たち』感想 三大女優が名演が光る時を超えた行き場のない思い ※ネタバレあり

スポンサーリンク

メリル・ストリープ、ジュリアン・ムーア、ニコール・キッドマン。この三大女優が年代の異なる3つのストーリーを演じます。ニコール・キッドマンは、イギリスの作家ヴァージニア・ウルフを特殊メイクをして扮します。

f:id:kousuku:20170715130559p:plain

作品情報

公開:2002年

時間:1時間55分

監督

主なキャスト

3つの年代

1923年 英国、リッチモンド
作家:ヴァージニア・ウルフ(ニコール・キッドマン)
1951年 ロサンゼルス
ローラ・ブラウン(ジュリアン・ムーア)
2001年 ニューヨーク・マンハッタン
クラリッサ・ヴォーン(メリル・ストリープ)

あらすじ

1923年のロンドンで精神的な病を患いながら「ダロウェイ夫人」を書くバージニア・ウルフ。51年のロサンゼルスで「ダロウェイ夫人」を読む家庭の主婦。01年のニューヨークで詩人の友人のためにパーティを開こうとする女性編集者。3つのドラマが交錯していく。

めぐりあう時間たち : 作品情報 - 映画.com

この3つの舞台の繋がりをバージニア・ウルフの著書 「ダロウェイ夫人」にしていることで彼女の心情がより強く表現されています。

感想 

複数の別々のストーリーが最後に繋がるという作品は近年多く目にしますが、この作品のつながりは時代を跨いだ異色なものです。バージニア・ウルフの著書「ダロウェイ夫人」を通して、行き場のない憂鬱な人生を送った彼女の思いに、違う年代を生きる女性が同調していきます。

3大女優の競演

まず目を引くのはニコール・キッドマンです。特殊メイクという事もあり、まるで別人です。もともと神経質な面持ちなでバージニア・ウルフとその面では一致するのですが、クレジットを観ないとわからなかったくらい違います。ニコール・キッドマンの美を求める人には残念ながらこの作品は期待を裏切るでしょう。演技主体なところが評価され、彼女はこの作品でアカデミー主演女優賞を受賞しています。

当然メリル・ストリープとジュリアン・ムーアも素晴らしい演技を見せてくれます。個人的にはジュリアン・ムーアの演技の方が精神的不安定さ見事に表現していて良かったと思っています。メリル・ストリープに関しては喜怒哀楽の表現力は素晴らしく、2001年のダロウェイ夫人を感じさせてくれました。

 この3人の演技を観れるだけでも価値のある作品です。

1日の出来事

3つのストーリー全て、ある一日の出来事で構成されています。3人の女性の1日の出来事が時代を超えて繋がっていきます。ニコール・キッドマン演じるヴァージニア・ウルフに関しては自殺する最期の日です。ジュリアン・ムーア演じるローラ・ブラウンは平穏な家庭を持ちながら、どうすることも出来ない孤独を感じていて「ダロウェイ夫人」を読んでいる人妻です。旦那の誕生日に自殺をはかった日です。メリル・ストリープ演じるクラリッサ・ヴォーンは、HIV感染者の友人リチャードの受賞パーティの準備をしていたが、彼は彼女の目の前で感謝の意を伝えながら飛び降り自殺をしてしまう日です。

ヴァージニア・ウルフ

夫に愛され環境までも整えられながら精神的な病から立ち直れないかったヴァージニア・ウルフ。この作品を観ることで彼女に対しの興味も湧いてきます。Wikipediaしか見ていないのですが複雑な家庭環境を育ったようです。また「ダロウェイ夫人」についても知っておくとこの作品がより面白くなりそうです。「ダロウェイ夫人」は映画にもなっています。

ヴァージニア・ウルフ - Wikipedia

ダロウェイ夫人 : 作品情報 - 映画.com

 

同性愛者

各ストーリーの中にホモセクシャル(同性愛)を示す描写があります。ヴァージニア・ウルフ、ローラ・ブラウンは女性に対して熱い口付けを求めます。クラリッサ・ヴォーンに関しては女性とベッドを共にしています。

驚きの結末

3つのストーリーとも心の底に潜んでいる大きな不安が爆発しそうで、作品全体を陰湿な緊張感が覆っています。そして最後にリチャードの自殺によってローラの年代との繋がりが明確になります。何とリチャードはローラの息子だったのです。

まとめ

メリル・ストリープ、ジュリアン・ムーア、ニコール・キッドマンの3大女優を競演を観れただけでも良かったのですが、ヴァージニア・ウルフという作家が残した行き場のない心の病が観ている側にも重くのしかかってくるような作品でした。上手く読み解く事は出来なかったのですが、そこには男女の性のすれ違いを描いているように感じます。

 予告動画

youtu.be