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映画『カンバセーション 盗聴」感想 盗聴のプロが盗聴の罠にハマる時の心理は? ※ネタバレあり

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『ゴッド・ファーザー』、『地獄の黙示録』で知られる巨匠フランシス・フォード・コッポラ監督の1974年の作品です。盗聴という行為にスポットを当て、盗聴によって人がどうのような感情を抱くのかが描かれています。

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作品情報

公開:1974年

時間:1時間53分

督監

eiga.com

主なキャスト 

ジーン・ハックマン - 映画.com

 

ジョン・カザール - 映画.com

アレン・ガーフィールド - 映画.com

 

感想

フランシス・フォード・コッポラと言えば『ゴッドファーザー』や『地獄の黙示録』が代表作ですが、この『カンバセーション 盗聴』も多くの賞を受賞している作品です。ただ代表作の『ゴッドファーザー』と制作時期が重なっていたこともあり、日本ではそれ程知られていない作品です。

『カンバセーション 盗聴』は、タイトル通り盗聴の話です。主人公コールがある会社役員からの依頼で2人の男女の会話を盗聴するところから話は始まります。

 ジーン・ハックマン演じるコールは、盗聴のプロフェッショナルです。盗聴機器の展示会で知り合った同業者にいたずらで盗聴器をしかけられて激昂してしまいます。仕事柄、常に周囲を警戒しているコールはまさか自分が盗聴されるとは思ってもいなかったのでしょう。盗聴のプロだからこそ自分がその対象となる事は余計許せないものを感じる。何かわかるような気がします。

 ジーン・ハックマンという俳優は、大柄でどちらかというと乱暴で強いというイメージです。しかし、今作品では、とても警戒が強く繊細な男を演じます。その外面と内面のギャップがこの作品が描き出している人間の内面的な弱さを実に上手く引き出すことになっています。

ストーリーは、主人公コールが徐々に事件に深入りし苦悩していくという展開です。盗聴屋として一流であるコールは、ある男女の盗聴を依頼されます。その会話からコールは、「自分たちは殺されるかもしれない」という恐怖を感じてしまいました。本来仕事で録った会話の中身などは干渉しないはずが、この男女の会話だけは気になってしまいます。「殺人の匂いがする」。コールは盗聴器の展示会のあと、仲間と飲んでいる時にイタズラで盗聴されてしまいます。これは軽いイタズラなのですが、盗聴される人の気持ちを感じる時です。この事は今後事件に深入りして陥っていく世界への1つの大きなポイントとなります。

ネタバレになりますが、コールに仕事を依頼した会社役員もコール自身も盗聴されていたのです。

盗聴する者、される者の不安に揺れ動く心理を見事に描いた名作です。不安な心理状態を即興のような演奏で表現しているところも大きなポイントです。

予告動画

youtu.be