キネマの館(ヤカタ)

映画 いくつもの感動と出会い

映画『リアル・スティール』感想 ロボット・ボクシングを通じて父子関係を描いた作品 ※ネタバレあり

スポンサーリンク

映画『リアル・スティール』をdTVで観ました。ロボット・ボクシングという近未来で起こりうる競技を舞台にしたSFヒューマン作品です。

f:id:kousuku:20161019145206p:plain

(C)DreamWorks II Distribution Co. LLC

作品情報

公開:2011年

時間:2時間7分

監督

主なキャスト

 

あらすじ

元ボクサーのチャーリーは、長年世話になったボクシングジムの娘ベイリーの力を借りてロボット・ボクシングで賞金を得る不安定な生活を送っていた。そんなある日、元妻が死去し、その妹のデブラが息子マックスの養育権を渡して欲しいと申し出が入った。チャーリーは、マックスの年齢すら知らない超無責任な父親で、息子には愛情を感じておらず、金と引き変えにマックスの養育権を引き渡すことを企てる。ただマックスをデブラ夫妻に引き渡す時期は夫妻が海外旅行から帰って来てからで、それまでの1か月間はマックスと共に過ごすことを承諾する。

マックスは、家族を捨てた父を全く信用していなく、自分と引き換えにお金をせしめたチャーリーを軽蔑していた。しかし、ロボット・ボクシングには興味があり、チャーリーが手にしているノイジー・ボーイという以前応援していたロボットの試合に半ば強引に同行する。

試合はさんざんたるもので、操作方法もロクに覚えないで試合に挑んだチャーリーをマックスは強く批判する。そしてノイジーボーイの一部を金に換えるチャーリーに「要らない物は、すぐ捨てるのか」と言い放つ。

ロボットも失い2人でロボット廃棄場で使えそうな部品を探していた時、断崖からすべり落ちるマックスを偶然にも助けたロボットのATOMと出合う。ATOMは第二世代のスパーリング用ロボットで今のものと比べると体格も小さく性能では大きく劣っていた。しかし自分を助けてくれたロボットを特別だと信じるマックスは、ATOMの動きの素早さと模倣機能(人の動きを真似し記憶する機能)に駆使しボクシングの試合に勝てるようにトレーニングする。

スパーリング用ロボットが試合に勝てること信じないチャーリーではあったが、マックスが時間を惜しまずATOMのトレーニングに励む姿を見て、試合への参加に協力するようになる。始めはATOMの可能性を信じなかったチャーリーだが、試合に勝ち続ける結果を観てATOMを徐々に信じるようになる。そしてチャーリーはATOMOにボクシングを、マックスは試合前に行うダンスを教え込む。全く信頼し合っていなかった2人はATOMを通じて徐々に距離を縮めるようになる。

そしてマックスの強気な発言で、ATOMは世界最強のボクシング・ロボット「ゼウス」とのWRB(World Robot Boxing)での王者決勝戦を迎えることとなる。

 

f:id:kousuku:20161019145353p:plain

父:チャーリー・ケントン ( ヒュー・ジャックマン)

息子:マックス・ケントン (ダコタ・ゴヨ)

ジムの娘:ベイリー・タレット ( エヴァンジェリン・リリ)

叔母:デブラ・バーンズ(ホープ・デイヴィス)

叔母の夫:マーヴィン・バーンズ(ジェームズ・レブホーン)

[チャーリーの知り合い]

予想屋:フィン(アンソニー・マッキー)

昔の知り合い:リッキー( ケヴィン・デュランド)

[WRB決勝戦ゼウス陣営]

オーナー娘:ファラ・レンコヴァ(オルガ・フォンダ)

エンジニア: タク・マシド(カール・ユーン)

[チャーリー陣営ロボット]

アンブッシュ

ノイジーボーイ

ATOM

[敵陣営ロボット]

ミダス

ツイン・シティズ

ゼウス

感想

「いやぁ~面白かったなー」というのが観終った後の第一声です。ロボットのボクシングでありながら、まるで「ロッキー」を観ているような感じになってしまい随分と感情移入していましました。模倣機能(ミラーリング)を利用したチャーリーのシャドーボクシングで最終ラウンドを戦うという設定にやられた感じです。人の動作を模倣することに自然と愛着が湧いてきます。

制作総指揮スティーブン・スピバーグとあるのですが、それほどスピルバーグ色は出ていなかったように感じます。

今の時代でロボットボクシングを開催しても性能面がまだ乏しいので人気は出ないと思いますが、もっと性能が上がれば案外面白いのかもしれません。今作品は2020年の設定ですので、それまでには観客が興奮するようなものが出来ているかもしれません。

「どうしようもない父親が息子と過ごすことで救われる」とういう、よくある話を、ロボット・ボクシングという共通の趣味?仕事?を通して、まずは友達に、次にビジネスパートナーに、最後に父と子にと凄くスムーズ関係の進展を描いていて、観ていて自然に受け入れることが出来ました。子供の年齢も覚えていなかったのですから酷い父親です。

面白いなーと思ったところは、模倣機能の性能の良さです。ほぼリアルタイムでチャーリーのボクシングの動きを再現出来るという優れもの。一応相手も視界に入っているのかな?なんて思いながら観ていました。

ボクシングに関しては、元世界チャンピンのシュガー・レイ・レナードがアドアイスしているだけあって実に動きがキレイです。

私は小中学校の頃は「ロッキー」が大人気で、シルベスター・スタローンが出演したアーム・レスリングの映画『オーバー・ザ・トップ』も観ています。この作品は、『ロッキー』と『オーバー・ザ・トップ』を合わせたように思えて懐かしさも感じました。(「リアル・スティール」+「オーバー・ザ・トップ」で検索すると同じように感じている人はいるようです。)

『オーバー・ザ・トップ』を観てみると冒頭のトラックの運転シーンなんかは、似ているように思います。

しっかりと感動の見せ場もあるとてもいい作品でした。人が血を流すシーンが苦手な人向けのボクシング映画でもあると思います。

予告動画

youtu.be