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映画 いくつもの感動と出会い

映画『ソラリス』感想 夢が現実になる惑星ソラリス ※アタバレあり

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映画『ソラリス』をNetflixで観ました。惑星ソラリスを探査中の宇宙ステーションで起こる不可解な現象。ジョージ・クルーニー主演のSFサスペンス作品です。

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 (C)2002 TWENTIETH CENTURY FOX

作品情報

公開:2002年

時間:1時間39分

監督

eiga.com

主なキャスト

あらすじ

惑星ソラリスの宇宙ステーションからから助けを求める連絡を受け、ソラリスを訪れたクリス・ケルビン(ジョージ・クルーニー)。彼はそこで自殺した妻と出会う。ケルビンはその創りだされ妻に感情を抱き、他の乗組員の忠告を拒否し地球に連れて帰ろうとする。

レア・ケルビン:自殺したクリスの元妻。

ジバリアン博士:クリスをソラリスに呼んだ博士。 

スノウ:乗組員。手の動きがおかしい。

ゴードン:黒人の乗組員。ソラリスの経済価値を探るために選ばれた。もっとも正常。

 

感想

先日記事にした『スフィア』に似ています。『スフィア』は恐怖が現実になりましたが、今作品は過去の記憶から、人物が現実となります。

レアが最初に現れた時にクリスは彼女を宇宙に投げ出しましたが、二度目になるとだんだん情が湧いてきます。情が湧いてくるというより、やり直したいと思っていた気持ちが再燃するという方が正しいですかね。目の前にいる妻が本物でないことがわかっていても、以前は愛していたのだから分かれることが出来ないクリスの気持ちは理解できます。

また自分の過ちで彼女を傷つけてしまったのならなおさらです。クリスは心理学者ということもあり精神世界を科学で分析するタイプです。一方レアは精神世界には神秘的な力があると信じていました。クリスがソラリスに訪れ自分の記憶の中の元妻が現れた事は、神秘的な力と言わざるおえない事象です。その力を信じなかった自分が妻を自殺に追い込んでしまった。しかし、実際に自分に神秘的な事が起こり認めざる負えない。当然クリスは、自分に罪悪感を感じ、記憶から作られた偽のレアだとわかっていても守ろうとします。

結局、人間は真実よりも自分の記憶に存在することの方が大切にだということです。実際に私たちが愛している人というのも、実物とは異なっている単なる自分の思いの人を愛しているのかもしれません。

ラストは、クリスがソラリスに向かう前の時間に戻っています。そこではレアが生きて存在しています。クリスがナイフで切った指の傷口が自然と塞がってしまうことからクリスはソラリスで再生したことがわかります。時間までも戻しているところは、謎。

人間の想いを現実化する展開の中で、現実とは全て想念の世界で再構築されることを描いたちょっと哲学的作品でした。

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