キネマの館(ヤカタ)

映画 いくつもの感動と出会い

映画『フローズン・グラウンド』感想 実話をもとに連続殺人事件を描いた作品 ※ネタバレあり

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実際にあった連続殺人事件を描いた作品です。12年間に24人以上の女性を拉致監禁、殺害したロバート・ハンセンの実話をもとにした作品です。

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作品情報

公開:2013年

時間:1時間45分

監督

この一本のみ作成しています。

主なキャスト

・州警察巡査部 ジャック・ハルコム

・犯人 ボブ・ハンセン

 あらすじ

舞台は、1983年の米アラスカ州アンカレッジ。娼婦のシンディは、ボブ・ハンセンという男性客に殺されそうになったところを逃げ出し警察に助けられる。地元警察は被害者が娼婦ということもあり単なる客とのトラブルとして問題を解決しようとする。

同じ頃、身元不明の少女が無残な遺体となって発見される事件が起こる。転職を2週間後に控えたアラスカ州警察巡査部長ジャック・ハルコムは、地元警察から届けられたシンディ事件の報告から、最近連続して見つかっている変死体事件と同一犯の犯行ではないかと疑いをはじめる。

巡査部長ジャック・ハルコム

石油会社への転職を決めていた時に事件が発生する。過去の殺人事件との関係を洗い出し、ハンセンの犯行を確信する。事件解決後、転職せず警官として退職を迎える。 

ボブ・ハンセン 

州警察の調べでは、過去の多数の殺人事件で限りな黒だが証拠がない。趣味は狩猟で自家用セスナを所有している。

シンディ

家庭環境に恵まれない18歳の娼婦。 

 

感想

映画は、シンディの殺害に失敗し追い狙う犯人ハンセンとシンディを守り犯人逮捕に向け全力をあげる巡査部長ジャック、精神的な不安から狙われ易い夜の街に戻ってしまうシンディの3人をスリリングな展開で描いています。犯人役のジョン・キューザックは神経質でどこか影のある冷淡な男を見事に演じています。

完全なまでに証拠を残さないで計画的に殺害を犯す犯人と社会的に低い立場の人間を軽視する警察や弁護士に怒りを感じて観てしまします。実話を元にしているというところで更に衝撃と悲しみを感じます。

この連続事件が長年解決しなかった理由の一つには社会的地位の低い者への差別が存在し、犯人はそれを上手く利用していた。日本でもそういう差別は往々にしてあり得て、いつも弱者が犠牲者になっています。こういう実話もの作品は犠牲者の思いもありますので制作には神経を使ったことと思いますが、よくぞ作ってくれました。こういう凶悪事件ものは、観る側の心のあり方がすごく大切だということです。犯人を社会から分断した存在としてではなく、社会が生み出したものと捉えないといけないように思います。

エンディングは、その後のアンカレッジ連続殺人事件の経過が流れます。

懲役461年、17件の殺人と30件のレイプを自白、余罪を追及

最後に犠牲者の顔写真が流れます。

 予告動画

youtu.be