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映画 いくつもの感動と出会い

映画『3時10分、決断のとき』感想 ラッセル・クロウ主演 ※ネタバレあり

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ラッセル・クロウ主演の西部劇。男とは弱くとも意地の強さで周りを納得させるもの。

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(C)2007 Yuma, Inc. All Rights Reserved.

作品情報

公開:2007年

時間:2時間2分

監督

主なキャスト

あらすじ

借金により取り立てに悩まされれているダン(クリスチャン・ベール)は、愛する妻と2人の息子をやっとの収入で養っていた。ある日、鉄道会社の馬車が襲撃されるところを目撃する。襲撃は、過去21回の強盗を犯している凶悪犯罪者ベン・ウェイド(ラッセル・クロウ)の一味が行ったもので、馬車にあったの鉄道会社の大金が強奪される。

強奪後街の飲み屋に滞在していたベン・ウェイドは、あっけなく捕らえられ、幾度となく被害に合っていた鉄道会社は彼を絞首刑にすることを訴える。

ダンは3日後の3時10分のユマ行きの汽車にベンを乗せるという危険な仕事を200ドルで引き受ける。一味の二番手であるチャーリー(ベン・フォスター)は移送中のベンを救うために仲間を引き連れ一行の後を追う。

 

感想

通常の西部劇とは少し趣が異なる作品です。凶悪犯のベン・ウェイドは銃の速撃ちはもちろん、頭脳明晰で常に落ち着いています。囚われの身なり移送されている間も状況を冷静に判断し、時にはリーダーのように危機から一行を救います。凶悪犯でありながら正義が垣間見えるのです。

一方ダンは、頑なにベンをユマ行きの汽車に乗せることを遂行しようとします。チャーリーの策略で状況が危うくなりダン以外の者がすべてあきらめたにも関わらず、一人残ってベンをユタ行の汽車に乗せようとします。

凶悪犯ベンは何故かダンに強く逆らわず友達として接しようとします。この辺りがこの作品の笑いではないのですがコミカルなところになっていきます。

ダンは気持ちは強いのですが仕事を成し遂げる力は全くありません。ただ、息子の前で尊敬される父を演じることと鉄道会社に家族へのお金と今後の生活の保証を約束させることで必死です。

ベンは、その凶悪さとは対照的に女性にはモテ、絵を描くことを趣味としています。また、チャーリーのように慕ってきた悪党にも絶大な信頼を得ています。ダンは片足を戦場で失ったとしています。ベンは失った足の理由を何度も聞きます。恩給があれば貧しい生活もしないで済むのに何故か貧しくしているダンに疑念をいだくのでしょう。それ程の付き合いでも無いのに洞察力が優れています。

物語は、ベン・ウェイドの掴みどころのない、しかし確固たる正義感が意外な結末で終わりを迎えます。チャーリーがダンを殺したことで、自分を信頼して救おうとしてくれたチャーリーたちを皆殺しにします。きっと本当の友情をダンに感じてしまったのでしょう。ダンは汽車に乗る直前、チャーリーたちの襲撃に遭いながら、ベンに自分の足が敵ではなく味方に撃たれたものと告白します。そして息子にこの仕事を全うするところを見せたいことを伝えます。二人が心を通わす時です。

男の友情と父親としての意地を描いた作品なのでしょうが余りにもベン・ウェイドとダンの力関係に差がありすぎて、ちょっと拍子抜けしてしまいます。ただこのような展開の作品も珍しいと思いますので観ておいて損は無いと思います。

話が出来すぎているせいか今一つ盛り上がりに欠ける感動でした。

動画

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