キネマの館(ヤカタ)

映画 いくつもの感動と出会い

映画『バベル』感想 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品

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4月22日公開のレオナルド・ディカプリオ主演の『レヴェナント: 蘇えりし者』を観る前に監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの作品を観ようと前回の『21g』に引き続きNetflixでブラッド・ピット主演の『バベル』を観ました。

 

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監督アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

イニャルトゥ監督は、これまで7作品を世に出しています。

  • 2000年 『アモーレス・ぺロス』
  • 2002年 『11'09''01/セプテンバー11』
  • 2003年 『21g』
  • 2006年 『バベル』
  • 2010年 『Biutiful(ビューティフル)』
  • 2014年 『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
  • 2015年 『レヴェナント: 蘇えりし者』

日本で話題になったのが、『21g』と『バベル』、『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』の3作品と4月22日公開のレオナルド・ディカプリオ主演の『レヴェナント: 蘇えりし者』です。監督として高い評価を得ているので7作品は観たいなと思っています。

 

バベルとは

映画の題名となった「バベル」、私の年代はちょっと聞きなれた名前です。人気アニメ漫画『バビル二世』に主人公を操る塔として「バベルの塔」が描かれていたからです。1973年にTV放映されていて当時5歳の私も楽しみにして見ていました。

この「バベルの塔」とは古代メソポタミアの崩壊した7階の塔のことだそうで、旧約聖書では、神が7階建ての塔を見て人間の団結力は自分の存在を脅かすものと感じ人々に違う言語を使わせ団結できないようにしたと記載されているそうです。団結できなくなった人間は分断し都市も崩壊したされています。その崩壊した都市を「バビロン」、崩壊した塔を「バベルの塔」と呼んでいるそうです。

 

感想

この作品も『21g』と同様に複数の舞台と時間軸を交差させ構成されています。俳優の演技では『21g』の方が強調されていたように思えます。長編初作品の『アモーレス・ぺロス』もこの手法らしいです。モロッコとアメリカのつながりは電話で行われるのでその内容を把握していないとちゃんと理解できないと思います。流してみていてはいかない映画ですね。そういう部分では『21g』の方が分かりやすかったと思います。(単に自分の観方が悪かったのかもしれませんが)

映画『バベル』では、モロッコ、アメリカーメキシコ、日本の3舞台をある接点で繋ぎそれぞれでコミュニケーションの不都合で起こる災いを取り上げています。言葉の違いによる不都合と聴覚障害の不都合。日本の舞台では菊地凛子が聴覚障害者を演じ、文明が発達して規律のない生活を送る日本人を描いています。(ちょっと日本のイメージを下げているような気しました。)神が施した分断が今日の人々の災いを引き起こしているとでもいいたいのかのようです。

 

ラストのシーンより

映画のラストは高層マンションのベランダで子供を抱擁するシーンで終わり、最後に「To my children,Maria Eradia and Eliseo」と自身の子供に捧げるナレーションが入りいます。

現代の文明を象徴する日本の高層マンション(バベルの塔)の最上階に、聴覚障害(神の分断)を持つ崩壊した家庭あり、こそからモロッコ、アメリカへへと災いが転じいく。しかし、神から分断された世界でもあっても親子の絆は永遠に不滅である。

という感じで理解しています。奥深い映画でした。

 

追記

『21g』、『バベル』を観終ってどうも内容も構成も似ていると思ったら脚本家も同じ人でした。ギジェルモ・アリアガという人で、以下の3作品をイニャリトゥ監督と一緒に作っているようです。納得です。

  • 2000年 『アモーレス・ぺロス』
  • 2003年 『21g』
  • 2006年 『バベル』